これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング (SB新書)
永井 孝尚 SBクリエイティブ 2016-10-06 |
私は家を買ってからしばらくの間、新聞に折り込まれた不動産広告ばかり見ていた。
「家を買ったんだから、そんなもの、見る必要がないのでは」と言われたら、まったくその通りと思うが、家を買った前よりも詳細に広告を見ていた。
この現象が、この本で書かれている「人はベンツを買った後どうしてベンツの広告を見てしまうのか」にあたる。
また、この本で取り上げているセブンイレブンの店舗についても、たしかに固まってあるように思えるし、きゃりーぱみゅぱみゅが海外でもたいへんな人気なのは、かわいくて、今までにないキャラだからくらいにしか考えない。
しかし、ものごとには理由があるのだ。
それを、マーケティングの観点から、これ以上やさしく書けないと思えるくらい、わかりやすく説明している。
だから、売れている。
そして、私たちが普段思っていることを取り上げているから、あっという間に読み終えてしまう。
しかし、このブログの読者のみなさんには、この本で言っていることが本当に正しいのか、自分の頭で考えてもらいたい。
それこそが、著者の望むところだと思う。
「腕時計をする人は少ないのになぜ腕時計のCMは増えているのか?」
腕時計のCMが増えていることについては、みんな同感と思う。
ただ、それを、ジョギング専用ウォッチや登山専用ウオッチ、GPSソーラー腕時計などの登場ーすなわち、いままでお客さまが「ほしいと思い、かつ、それに代わるものがないもの」バリュープロポジションに持っていくのは、ちょっと無理がある。
それに、一般人の感覚では、新聞、雑誌に載っている広告は、きわめてオーソドックスな高級時計いう印象を受ける。
私はこの本を読み終えたあと、電車に乗っている人の腕を見てみたが、(もちろん統計的な裏付けはないが)腕時計をしている人は増えているような気がした。
自分の頭で考えると、若い世代を中心に、「時刻だけを見る」(スマホを見れば足りる)→「時刻とともに時計を見ることを楽しむ」に移行してきているのはないかと思えて仕方がない。
高級時計を持てば、なおさらそんな動作が楽しくなる。
また、そんな高級時計を持つことは、自分へのご褒美であり、頑張っていこうという気にもつながる。
つまり、私は、時計を持つという価値観が変わったのではないかと考えたが、みなさんは、どうだろうか?
下の目次を確認していただければわかるが、すべてが市場戦略、競争戦略であることに注意してもらいたい。
『これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング (SB新書)』
目次
第1章 腕時計をする人は少ないのになぜ腕時計のCMは増えているのか?
──「バリュープロポジション」と「ブルーオーシャン戦略」
第2章 人はベンツを買った後どうしてベンツの広告を見てしまうのか
──「顧客」と「ブランド」
第3章 雪の北海道でマンゴーを育てる?
──「商品戦略」と「顧客開発」
第4章 あの行列のプリン屋が赤字の理由
──「価格戦略」
第5章 なぜセブンの隣にセブンがあるのか?
──「チャネル戦略」と「ランチェスター戦略」
第6章 女性の太った財布には、何が入っているのか
──「プロモーション戦略」と「マーケティングミックス(4p)」
第7章 きゃりーぱみゅぱみゅは、なぜブレイクしたのか?
──「イノベーター理論」と「キャズム理論」
第8章 古本屋がふつうの本屋より儲かる理由
──「マイケル・ポーター5つの力」と「競争戦略」
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