トヨタの上司は現場で何を伝えているのか (PHP新書)
若松 義人 PHP研究所 2007-03-16 |
「言いわけをする頭で実行することを考えよ」
トヨタ自動車工業副社長で、トヨタ生産方式の生みの親といわれた大野耐一(たいいち)氏の言葉である。
この本は2007年初版だから、読者のみなさんは、本の中で使われている言葉を若干古く感じるかもしれない。
しかし、それは裏を返せばそれだけトヨタ語が広まったということである。
また、トヨタ語を聞きなれた人でも、言葉の真の意味を意外に理解していないことが多いと思う。
たとえば、カイゼンという言葉は、いまや世界語となった。
しかし、その真の意味は、「原価の低減による利益の創出」である。
トヨタ語の真の意味を知りたい人には、絶好の書である。
本の中から、意味をかみしめたい言葉を紹介しておきたい。
「仕事を磨く」とは余力をつけること
仕事は「自分の知恵」がどれだけついているかで決まる。
「わしの言う通りにやるやつはバカ、もっと上手にやるやつが利口」(大野耐一)
悪くなったら元に戻さず、また直して改善すればいい。
「できない理由」は、裏を返せば、それさえ解決すれば「できる」とも読める。
学んだことのすべてが使え、すべてが実践できるわけではない。
それでも、一つでも二つでもいいから仕事に活かせることを見つけ、実行に移す。そこで勝負が決まるのだ。
目でつかむよりは手で確かめる。
「教育は知らないことを教える。知っていることを繰り返し練習して体で覚えることは訓練である。教育だけで訓練を忘れては、ものにならない」(大野耐一)
「まずやる」は、軽々しい行動主義ではない。
人は困らなければ知恵が出ない。
標準に基づく言葉、具体的な表現でコミュニケーションをはかる。たとえば、ちゃんと閉める必要のあるドアなら「カチャッと音がするまで閉めてください」と紙に書いて貼る。
「時間は動作の影」 同じ作業も、人によってずいぶんばらつきがある。原因のほとんどは、個人差ではなく、動作や手順の違いである。
今日のことは今日片づける(「やり仕舞い」)
成功には「黙々と」が欠かせない
「段取りをつけすぎるな。現場の知恵が出るようにして、知恵をつけながら進めろ」(大野耐一)
ちょうど、私が最近紹介した記事に関連する言葉も掲載されていた。
いい失敗のルール
①失敗したら自分で直す
②同じ失敗は二度しない
③失敗を記録しておく
( 参考 当HP関連記事 「評価される失敗✕評価されない失敗」
https://shinyuri-souken.com/?p=44768 )
「あれもやる、これもやる」というムダがあってもいい」(決め打ちは危ない)
( 参考 当HP関連記事 「営業の常道「あの手、この手」
https://shinyuri-souken.com/?p=44857 )
トヨタ語は、生産の改善から生まれた言葉だが、驚くほど他の業種にも当てはまる。また、改善というと、改善方法に頭が行きがちだが、それは手段である。
トヨタの場合は、なんのために改善するのかという目的意識が非常に強烈であり、それがあるゆえに思考も柔軟なのだと考える。
私は、営業の記事も書いているが、営業で一番大切なものも目的、目標だと思う。
目的、目標があるから、「あの手、この手」が浮かんでくるのであり、資源を横にも縦にも連想できるのである。
ところが、この本にも、「発想は『横』にも『縦』にも」と書いてあったのである。
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