『仕事は楽しいかね?』

仕事は楽しいかね?

デイル・ドーテン

きこ書房 2015-01-20

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月だというのにひどい雪が降り、「私」はシカゴのオヘア空港で夜を明かさなけれならなくなった。
ふてくされている「私」の下に、格子縞のズボンにポロシャツとループタイといった格好をした一人の老人が近づいてくる。

 

その老人は、「私」に家族のことなどを聞いたあと、こういうのである。
「仕事は楽しいかね?」

 

「私」は仕方なく、いまの仕事の話や、やるかたない不満を老人に話す。ここから物語は始まる。
そして、老人は、「人生とは、くだらないことが一つ一つまた一つと続いていいくのではない。一つのくだらないことが<何度も>繰り返されていくのだよ」とか、「試してみることに失敗はない」「明日は今日と違う自分になる、だよ」……と話す。

 

 

世界的に有名な成功法則の本である。
おそらく、読者それぞれに刺さる箇所は違うと思う。
そして、内容は読んでお楽しみということにさせていただくが、私に刺さった箇所を少しだけお話ししたい。

 

「ジョン・ペンバートン(コカ・コーラ考案者)はぼんやり座っていたどころか、頭痛薬をはじめ何十種類もの新しい治療薬を開発していた。まぐれ当たりという意味では、何かを発明することはなかったけど、薬からソフトドリンクを生み出した。リーバイ・ストラウス(リーバイスジーンズの考案者)もぼんやり座ってなんかいなかった。彼は大陸を東から西へ旅していたし、何が売れるか考え続けていた」

 

つまり、成功はある日突然訪れるのではなく、成功した人は、何かいろいろやっていた人なのだ。いろいろなことを試している人とも言える。

 

だから、老人は「大した努力もしていないにちょっとしたまぐれ当たりに見えるなんて、そんなサクセス・ストーリーはあり得ないよ」と言う。

 

そして、「……まずはとにかく始めること。どのアイデアが最終的に実を結んで、どのアイデアが実を結ばないか、確かめる方法なんてないんだから。できるかぎりいろんなことをとにかくやってみること。そうすれば、そのアイデアがまた別のアイデアを引き寄せる。始めさえすれば、新しいアイデアのほうからきみのもとへ近づいて、飛びついてくるんだ」とも老人は言う。

 

そんな老人の言葉に注目すると、老人が言っている「”明日は今日と違う自分になる”だよ」という言葉とが一本の線でつながる。

 

 

よく成功するためには、努力なのか、それとも天性の才なのか、あるいは幸運なのかということが議論になる。
私はこの本を読み終えて、そのいずれも当たっているとは思うが、それよりも、やってみる、それも中途半端ではなく徹底的にやって、試してみるということが重要だいうことに気づく。

 

そして、成功について考えるとき、注意しなければならないことも老人は言っている。

 

「……模範的な人に話を聞くと、彼らは往々にして自分の歩んできた道のりを整然と語って、プロフェッショナルとはかくあるべき、みたいに思わせてしまうんだー別な表現をすれば、それこそが成功への決まった方法であるかのように思わせてしまうってこと。あるいは、自分のサクセス・ストーリーは、ほかのみんなのサクセス・ストーリーと、とてもよく似ているのだと思わせてしまうと言ってもよい」

 

考えてみれば、普遍化したサクセス・ストーリーなど、あろうはずがない。
もしあるとしたならば、それを学んだ人全員が成功者となる。それが現実とは異なることは言うまでもない。

 

おそらく逆なのだと思う。もし成功したいと考えるならば、人のサクセス・ストーリーを学ぶのではなく、人とは違ったサクセス・ストーリーを探さなければいけないのだと思う。

 

きっと、私には私の、みなさんにはみなさんのサクセス・ストーリーがあるのだと思う。
そのことに気づくか、気づかないかが、それこそ成功の道を分けるのではないかと思う。

 

そんなとき、老人の次の言葉が、燦然と光る。
「成功するというのはね、右に倣えをしないっていうことなんだ」

 

 

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

 

 

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2016年9月24日