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サイコパス (文春新書)
中野 信子 文藝春秋 2016-11-18 |
人前で話すときドキドキしてしまうあなた、また、いつも不安に駆られているあなたは、サイコパスではない。
それは、サイコパスと聞くと、いかにも非情な犯罪者をイメージするが、サイコパスは次のような特徴も持っているからだ。
・外見や語りが過剰に魅力的で、ナルシスティックであり、
・恐怖や不安、感情を感じにくく、大舞台でも堂々として見え、
・多くの人がためらいを感じたり危険に思ってやらなかったりすることも、平然と行うため、挑戦的で勇気があるように見える。
つまり、サイコパスは不安にならない。
そんな彼らに惹かれる人も多いはずである。
サイコパスの謎は、多くの研究により次第にわかってきた。
それを、まとめたのが本書ということになる。
なぜ、サイコパスは不安にならないのか?
一つに、サイコパスは心拍数が低く、上がりにくいという身体的特徴がある。
また、脳科学の研究でわかったことは、サイコパスは扁桃体と前頭前皮質の結びつきが弱い。
そのことにより、サイコパスの脳では、恐怖や不安といった情動よりも理性・知性が働きやすい。
つまり、サイコパスは、不安や恐怖といった情動に障害があり、感情が希薄ということになる。
そんなことから、サイコパスは他人に「共感」することはないが「理解」はできる。
そして、サイコパスは、相手の目つきや表情から、その人が置かれている状況を読み取る才能が際立っているというところにポイントがある。
だから、人を操ることができる。
そんなサイコパスには信者がいる。
それは、人間の脳は、「信じる方が気持ちいい」からである。自分で判断を行うことが負担で、それを苦痛に感じるという特徴があるからだ。
本書は、サイコパスは、「信じたい」という、人間の認知のセキュリティホールともいえる弱点を、巧みに突く生存戦略を取っている存在だとしている。
サイコパスは100人に1人の割合でかならず存在する。
その事実に目を背けてはならない。
また、非情な犯罪者だけでなく、いままで述べてきたような「勝ち組サイコパス」もいることを忘れてはならない。
ということは、サイコパスから、自分を守らなければならないということになる。
その方法には自分の脳で考えるということが必要と思うが、サイコパスを知らなければ、守ることができない。
本書の冒頭で、この種の人間を擁護する人が少なくないと言っているのは、サイコパスを知らないためである。
また、本書を読み進めていくと、「良心」とは何かも、わかるはずである。
本の目次
はじめに 脳科学で明らかにする「あなたの隣のサイコパス」
第1章 サイコパスの心理的・身体的特徴
第2章 サイコパスの脳
第3章 サイコパスはいかにして発見されたか
第4章 サイコパスと進化
第5章 現代に生きるサイコパス
第6章 サイコパスかもしれないあなたへ
おわりに
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