情報消費者から情報生産者へのすすめが書かれている。これから論文を書こうと思っている人にはうってつけの本と思うが、一般の人が読み切るにはひと苦労と思う。
しかし、この本の冒頭に書かれている「情報とは何か?」「問いを立てる」だけ読んでも、いままで曖昧に使っていた言葉の定義を知り、頭がシャキッとすると思います。
この手の本の読み方として、重要と思われる言葉を書き抜き、その言葉を何度も反芻し、再び本に戻り、その前後を読み直すのも手かもしれません。
(参考までに冒頭の部分の私の書き抜きを記載しておきます。書き抜き部分をつなげていくと、意味がとれます)
私なりに理解すると
情報生産といっても、天から降ってきたような情報などなく、自分の経験の周辺部分で発生するということがポイントかと思います。
ただ、そこには、自分にとってのひっかかりが必要であり、それが問いとなります。
しかし、自分の問いは、多くの人も持っていた可能性がきわめて高く、それを見極めるものが教養であり、また、(先行)研究と呼ばれるものが必要です。
あとは、その問いをどのように組み立てるか計画し、方法を選び、情報を収集し分析し、アウトプットするということになります。
これが情報を生産するということです。
(参考)重要と思われる言葉の書き抜き(原文)
情報はノイズから生まれます。
…… ノイズとは何か? ノイズとは違和感、こだわり、疑問、ひっかかり……のことです。
ノイズは自明性と疎遠な外部とのあいだ、自分の経験の周辺部分のグレーゾーンで発生します。
情報を生産するには問いを立てることが、いちばん肝心です。
オリジナリティとはすでにある情報の集合に対する距離のことを言います。
すでにある情報の集合を知識として知っていることを、「教養」とも呼びます。
教養がなければ、自分の問いがオリジナリがどうかさえわかりません。
情報には一次情報first hand dataと二次情報second hand dataとがあります。
一次情報は経験的現実から自分の目と手で得た情報、二次情報はsecond handと呼ぶように、いったん他人の手を通って加工ずみの情報です。
根拠のない考えは「思い込み」の代名詞
……情報生産者になる、とは自分だけでなく、他人にとっても価値のある情報を「知の共有財」のなかに付けくくわえるという行為
情報は消費されてこそ価値がある
研究に値する問いとは、答えが出る問いであること、手に負える問いであること、経験的に検証可能な問いであること
先行研究の検討が必要なのは、自分の立てた問いのどこまでがすでに解かれており、どこからが解かれていないか、を確認するため
問いを立てるのは、「バカヤローを言いたい相手」がいるから。がまんできないから、納得できないから、ほっとけないから……です。
そしてそれは、あなたがあなただから生まれた問いです。
ノイズ(ひっかかり)のないものは情報に転化することはない
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