言われて、カチンときた言葉ってないですか?
言った方には他意がなかったかもしれない。
しかし、その言葉の背後にあるものを感じるから、カチンとくるのだ。
考えなくてはならないことは、もしかして、あなたもこのような言葉を発しているかもしれないということだ。
『言いかえ図鑑』は挨拶・社交辞令~マイナス意見に至るまで、「よけいなひと言」と「好かれるひとこと」を、じつに120例掲載している。
加えて、子育てにおける「よけいなひと言」と「伸びるひと言」、ハラスメントになりやすいNGワードも紹介している。
人間関係を良好にしたいと考えている人には、ぜったいにオススメの一冊だ。
この本のなかから、私もカチンときた4つの言葉を取りあげたい。
きっと、あなたもカチンときた言葉だ。
✕ 勉強になりました
○ クレーム対応の話が特に参考になりました
「勉強になりました」は不思議な言葉だ。
ビジネスマナーの本などで推奨されている言葉だが、ビジネスの実務に携わる人は「ん?」と思う言葉だからだ。
すなわち、ビジネスマナーの本に書かれていることと、実務感覚とはズレがあるのだ。
あなたは、なぜこの言葉が「ん?」なのかわかっているはずだ。
何が勉強になったか示されていないからだ。
著者は「相手が一生懸命話してくれたことを、たった一言で簡単にまとめてしまうだけでは、相手をガッカリさせてしまうことも」と述べている。
そう、そのひと言で、体よく締めくくられたような印象を受けるからだ。
「勉強になりました」は目上の人や、上司や得意先などにいう言葉である。
この言葉で締めくくられると、「今まで私が話したことは何だったのか?」とバカにされたような感覚になる人も多いはずだ。
「勉強になりました」を口癖にしている人は多い。
この言葉が好きだからであり、この言葉を言える自分も好きだからだ。
しかし、この言葉をそうは捉えない人が多いことに注意してもらいたい。
私が書いた下記記事も参考にしてください。
✕ 感心しました
○ 感銘を受けました
目上の人に「感心しました」と言っていないだろうか?
「感心」はいい意味でも悪い意味でもつかえる言葉だ。
この点について著者は「いずれにしても、人がやったことついて良いか悪いかを『評価』している言葉ですから、目上の人には失礼にあたります」と述べている。
それでは、目上の人にはどのように言えばよいのか?
本の記載例を紹介したい。
「先輩のお話しに感動しました」
「先生のお考えに感銘を受けました」
相手が社長や取引先の役員など尊重すべき立場の人には、
「敬服いたしました」
「感服いたしました」
という言葉をつかうのだ。
✕ 先日もお伝えしましたが
○ 説明がわかりづらくて失礼しました
メールで問い合わせをしたとき、「先日もお伝えしましたが」という一文を目にしたとき、あなたはどう思うだろうか?
じつは、私も最近、このようなメールをもらった一人だ。
このようなメールをもらうと、ものすごいショックを覚える。
著者が言うように「この前も言ったよね? わからなかったの? 確認してないの?」というメールの打ち手の無言の圧力を感じるからだ。
言ってみれば、警告だ。
おまけに、このようなメールをもらうと、「先日の件」「前回」を確認しなければならない。
強迫観念にも似たような思いで、必死に、「先日の件」「前回」のメールを捜し、書かれていることを隅々まで読まなければならないのだ。
しかし、そもそも、なぜ問い合わせしたかといえば、「先日お伝えしたこと」がわかりにくかったからだ。
私の場合もまさにそうだった。
そうしたことを考えれば、返信メールは「説明がわかりづらくて失礼しました」が冒頭に入り、そこから、すべてが理解できるように説明し直すことが筋のはずだ。
✕ ご承知おきください
○ ご了承のほどお願い申し上げます
このことも、私が最近体験したことだ。
私はある問い合わせのメールを送ったところ、メールの最後のほうに、「これ以上は料金が発生しますよ」という意味で、「ご承知おきください」と書かれていた。
この点について、著者は「この言葉には、『メールした内容はあらかじめよく理解しておいてください』『こちらが言ったことは了承したうえで今後の対応をしてください』と、一方的に要望を押しつけている高圧的なニュアンスがある」と述べている。
私の場合は、「そんなつもりで問い合わせたのではないが……」「そんなことはわかっているのに……」と呆然となる一方、メールの打ち手は「ご承知おきください」という言葉をつかうことにより、釘を刺していると感じ取った。
「ご承知おきください」は一見、丁寧な言葉のように見えるが、よく考えると、一方的な宣告なので注意する必要がある。
「言い方」「話し方」「伝え方」の本は裾野が広く、ビジネスマナー講師などさまざまな人が本を書いている。
この本はカウンセラーの方が書いたということに大きな特徴がある。
著者は一般社団法人日本メンタルヘルス支援機構代表理事であるとともに、産業カウンセラー、キャリアコンサルティング技能士の資格をもつコミュニケーション・ハラスメント・メンタルヘルスの専門家だ。
本を読み進めていくと、そのことが十分にわかる。
いわば、単なる言葉の言いかえ、置きかえではなく、現場体験をベースに、シッカリとした理論の下に書かれているということだ。
それゆえ、その言葉を人はどう受け取るのか、なぜ、その言葉をつかわない方がよいのか、その言葉の裏に潜むものなどがシッカリ書かれている。
この本は、人間関係改善のスキルが書かれていると言えるのだ。
綾小路 亜也
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