悔しい思いをした人への対応が、出世の道を分ける

悔しい思いは悔しい思いをした人にしかわからないことを、「「出世する人」はそのことをよく知っている。
「出世する人」は悔しい思いをした人と事実だけを共有し、それ以外は口にしない。
このことが出世する人と出世できない人を分けていると言っても過言ではない。

 

あなたの周りにも、昇進できなかった、希望どおりに異動できなかったなど、悔しい思いをしている人がいる。
そんなとき、つい、慰めたり励ますつもりで
「悔しいよね。次の職場で頑張って会社を見返してやろう」
「落ち込まないで、頑張っていこう」
などと言ってしまう。
言う人には悪意がない。そんな言葉を投げかけることが職場の仲間、友人としての務めだと思っている。
言われた人もうなずくか無言でいる。
言った人はそんな言葉を投げかけてよかったと思っている。

 

しかし、そんな言葉を言われた人の内心は違うかもしれない。
「次の職場で頑張れって? そんな言葉軽々しく使うな!」
「落ちこむなって? おまえにオレの気持ちがわかるか!」
と思っていることだってあるのだ。

 

なぜ、そのようなことが起きてしまうのか?
「悔しいよね。次の職場で頑張って会社を見返してやろうよ」、「落ち込まないで、頑張っていこう」には、言った人の気持ちが入っているからだ。
非常にわかりづらい話だが、このことを理解するために参考になる言葉がある。
三上ナナエさんの本には、「共感とは、肯定も否定もせず『ただ相手の気持ちを受け取ること』」(『仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン』
)と書いてある。
悔しい思いをした人には、「ただ相手の気持ちを受け取ること」だけが必要なのだ。
だから、悔しい思いをした人への対応は、相手が「悔しい」と言ったなら、「悔しいよね」、「頑張るぞ」と言ったなら、「頑張って」というオウム返しが正解なのだ。

 

悔しい思いは悔しい思いをした人にしかわからないが、どんなとき、悔しい思いをしているのかも、また、わからない。
人が気づかないところで悔しい思いをしていることもあるのだ。

 

 

サラリーマン社会では、栄転のときより悔しい思いをしたときに、電話がかかってくることが多い。
また、慰めの言葉を言ったあとに、悔しい思いをした人の横で、栄転した人に「さすがだね」と電話をかける人もいる。
悔しい思いをした人からすれば、慰めも励ましも、全部、興味本位に思えてしまうのだ。

 

そんな人たちは、絶対に出世しない。
ここで、私がこの本の冒頭で書いたことを思い出してもらいたい。
私はこう書いた。
「彼らが(「出世する人」)昇進選考の場に立ったとき、反対票を投じる人は誰もいなかった。反対票を投じる人が誰もいなかったということが、彼らを出世させていった」

 

 

悔しい思いをしたとき、人が言った言葉はいつまでも消えることなく残る。
そこでの記憶が、「反対票」を生むこともあるのだ。
出世を目指すあなたが最も気をつけなければならないことだ。

 

綾小路亜也

 

 

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