名刺を切らした場合、後日、一筆書いて郵送するは本当か?

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2018.06.10に記事を更新しました。

名刺を切らした場合、後日、一筆書いて郵送するは本当か?

ある週刊誌の記者から、『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないか』の取材を受けた際に聞かれたことがある。
記者は「先日、入社間もない様子のビジネスマンが来たのですが、その人は名刺を切らしていました。そのことをたいへん気にして郵送すると言うのです。どう思われますか?」と私に意見を求めた。
記者は「その方からはメールをもらっているし、どこの誰だかわかっているんだから……」と言いかけた。
氏名も連絡先も、本人であることもわかっているのだからと言いたかったのだと思う。

 

たしかに、多くのビジネスマナーの本には、「名刺を切らした場合は、後日、名刺とともに一筆書いて郵送する」と書かれている。

 

そのビジネスマンはビジネスマナーの本に書かれていることを忠実に守ろうとしたのだと思うが、そのビジネスマンがとろうとした行動、またビジネスマナーの本に書かれていることは本当に正しいのか、みなさんの頭で考えてもらいたい。
きっと、拙著を読まれた方は、もう自分なりの結論を出しているのではないかと思う。

 

拙著では、「ビジネスマナーを鵜呑みにしない⇒自分の頭で考えることが大事」と書いた。
ビジネスマナーの本に書いてあることを横に置いて、自分の頭で考えれば、たいがい正解に近いものにたどり着く。

 

どうだろうか?

名刺を「送る」というところに抵抗感があるのではないだろうか?
名刺が入った封筒を受け取った人が、封筒にはさみを入れ、名刺を取り出す光景が想像できる。
名刺を切らした人のために、そんな行為をするのは迷惑に違いない。
そんな行為を相手に強いることは、やはり問題なのだ。

 

それに、名刺を切らしたという失態をしたにもかかわらず、名刺を「送る」というのは、急に割り切ってしまったような冷たさのようなものがある。
実際、いまのビジネスでは、得意先からほとんど書類は送られてこない。送られてくるものといえば請求書などの類だ。だから、送られてきたものにはきわめて事務的なにおいがする。
ビジネスマナーの本の著者たちの多くは、実際のビジネスの現場を知っているわけではないので、「送る」という手段は「あり」だと思っているのだ。
この問題は、相手の会社が離れている場合は致し方ないと思うが、あとで名刺をお届ければ済むはずだし、次回訪問のときに、お詫びして渡せばいいだけの話ではないだろうか。

 

この問題には、ビジネスの本質のようなものが詰まっている。
ビジネスには失敗がつきものだ。名刺を切らしてしまったということも失敗の一つだ。
ここで、「訪問前に名刺を確認しなかったことがいけなかった」といくら言っても始まらない。起きてしまったことは、起きてしまったこととして対応しなければならない。
自分がミスをしてしまったのだから、その中で最善策を考えるべきなのだ。
会社に戻って、すぐに名刺を持って再訪問するということが、シンプルだが最善の方法に違いない。
当日は予定が入っているというならば、翌日届ければいいだけの話である。
それもできないというならば、なるべく早く訪問機会を設け、持っていけばいい。
これもできないというならば、その会社と二度と、こちらの方から付き合いたくないということを物語っている。

 

ビジネスマナーの本に書かれていることと実際のビジネス感覚には乖離があることは、みんなわかっている。
「名刺を切らした場合、後日、一筆書いて郵送する」は、一見、正しいように思えるが、そこにはビジネス感覚はない。
加えて言えば、すみやかに一筆書いて郵送すればまだいいが、そのことさえ遅れがちになるのが、実際のビジネスのこわさなのだ。ビジネスでトラブルを起こしている人は、みんなそのような対応をしている。
自分がミスをしたら、間髪置かずに対応する。それがビジネスである。

 

 

(私の解答例)

①訪問した会社が離れていなかったときは、できるだけ早いうちに訪問して名刺を届ける。
ここで間隔を空けないことがポイントだ。帰社後ただちに再訪問が望ましいが、遅くとも2日以内に訪問することだ。
それ以上間隔を空けると、相手は「いまさら、なに?」と考えるのは必定で、失敗を上塗りしてしまう。

 

②その際、アポなどいらない。いらないというよりはとってはダメだ。
会社を訪問して、名刺を渡せなかった人が在席していた場合は「失礼いたしました」と言って渡す。
不在の場合は、受付に出てきた人に事情を話して渡せばいい。

 

③訪問した会社が遠隔地の場合で、めったに行けないときは、ビジネスマナーの本に倣い一筆書いて郵送するか、それをやることに違和感を覚えるとき(名刺を切らした際の相手の反応、雰囲気から考えて)はあえて名刺を送らない。

 

④訪問した会社が遠隔地で、しかも、訪問した際にたいへんお世話になった場合は、自分の会社近くで販売している菓子類を一緒に送付することも検討する。

 

重要なことは、その場の雰囲気や状況は、みなさんにしかわからないということである。
みなさんが、その場の雰囲気や状況から見て、違和感を覚えない方法を考えることができたなら、それは、限りなく正解に近い。

綾小路亜也

 

 

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なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

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