「できる社員」は折り返しの電話をもらわない

2018.09.21記事を更新しました。

『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』(kindle版)から

 

得意先から折り返しの電話をもらうことについて、なぜビジネスマナーの本が取り上げていないのか、不思議でたまらない。
ビジネスマナーの本を見ると、電話のかけ方や受け方について詳しく載っている。しかし、得意先から折り返しの電話をもらうことについては、ほとんど記載がない。
得意先から折り返しの電話をもらうことは、ビジネスの世界では最も注意しなければならないことだ。
そこに得意先の感情が存在するからである。

 

実際によくあるケースを見ていこう。
みなさんが得意先に電話をかける。しかし、相手が電話中だったり、不在だったりすることはよくあるケースだ。
こうした場合、電話に出た人はたいてい「折り返し電話をさせましょうか?」と聞く。
ここで私は、「ええ、お願いします」と答えてはいけない! と言いたい。
なぜか?
たいがいの場合、電話に出た人はメモを残すからだ。多くの会社ではメモ用紙は所定のフォームで印刷されており、電話に出た人はそのフォームの「電話を下さい」に○をつけるからである。
いまはいくらメール世界だといっても、メモの世界はいっこうに衰えずに残っている。たぶん電話に出た人は、わざわざメールを打つよりも、メモを書いた方が楽で早いからなのだろう。伝達漏れも少ないからだろう。

 

問題はこのメモから生じる。
電話を終えた得意先、あるいは外出先から戻った得意先はそのメモを見る。そのメモには「電話を下さい」と書かれてある。
そのメモを見た得意先は、その瞬間、絶対にいい気はしない。憤りを持つ人も多い。
それは、ほとんどの場合、得意先側からは用がないからだ。だから、「用があるのは向こうにもかかわらず、電話をよこせとは、なにごとか」と思う。
それでも、得意先の中には奇特な方がいて、そんな不愉快な思いを持ちながらも折り返しの電話をかけてくれる人もいる。
すると、受話器から聞こえてくる声は、たいがい「いやーすいません。来週の水曜日、ちょっとお時間頂戴できないかと思い電話したのです」という内容だ。
これでは、いくらみなさんの会社が顧客第一主義を掲げていても、ビジネスのイロハのイの字もわかっていないことになる。

 

それでは、「できる社員」はどうしているのだろうか?
電話に出た人が「折り返しの電話をさせましょうか?」というときに、「いや、こちらからかけ直します」と答えている。
こう答えると、電話に出た人は多くの場合、電話した相手が、電話を終えたときや外出先から戻ったとき、「さっき、○○商事の××さんから電話がありましたよ」と伝える。
そのとき、相手は「おや、なにかあったんだろうか」と気になる。こうして相手から電話がかかってくるケースは多い。
このケースは、形の上では相手から折り返しの電話をもらってはいるが、「こちらからまた電話をします」と言っている中でもらう電話であり、失礼にはあたらない。
相手から電話がかかってきたときは、「すみません、わざわざ電話をいただきまして……」と答えればいい。

 

さて、実際のビジネスの現場では、こちらから電話をかけ直しても、また相手が電話中だったり、不在だったりすることも多い。それも、みなさんはよく経験していることである。
そんなとき、どうするか?
きっと、電話を取り次いだ人は気の毒がって、いっそう「折り返し電話をさせましょうか?」と聞くはずである。
そのときには、「電話があった旨をお伝えください」と言ってもらいたい。
すると、相手から、たいてい「何度も電話をいただいて……」と電話がかかってくる。これは、相手も何度も電話をもらっていることを気にしている証拠であり、もちろん失礼にあたらない。

 

それでも、まだ相手と連絡を取れないケースもある。そんなときは、本当に困ってしまう。
しかし、裏ワザがある。
それは、もし、みなさんが、電話を取り次いだ人と親しく、なおかつ、みなさんが得意先と十分に親密な関係にあり、よく知られているときは、その取り次いだ人から電話をもらうことだ。
たとえば得意先の秘書などがこれに該当する。
具体的には、みなさんは、「恐縮ですが、××常務の電話が終わりましたら、その旨ご連絡賜ることはできませんか?」と聞けばいい。
すると、電話に取り次いだ人は、みなさんが、何度も電話をかけていることを気の毒がっているので、きっと、了承してくれるはずである。
そして、はたして、電話に取り次いでくれた人から電話がかかってくるケースが多い。
きっと、その人は、「いま、常務の××と代ります」と言うと思う。
繰り返すが、このケースが使える場合は、みなさんの会社と得意先とがよほど親しい関係にあり、しかもみなさん自身のことを得意先もよく承知しているときである。新規開拓などのアポ取りで絶対にこの裏ワザを使ってはいけない。

 

それでは、緊急の折り返しの電話が必要な場合はどうすればいいだろうか?
そのときは、そのまま「緊急の事態が発生しましたので、たいへん恐縮ですが、折り返しのご連絡をいただきたいと思います」
と言えばいい。
電話に取り次いだ人も、そう伝えるからである。

 

 

ビジネスの世界では、「どちらに用件があるのか」がきわめて重要である。相手なのか、それとも、こちらなのかということだ。
そして、こちらに用件がある場合は、相手から折り返しの電話をもらってはいけない。
この点を、「できる社員」は正しく区分けし、ソツがない。

 

 

 

 

 

「人と違った存在になる」ビジネスマナー

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

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