要回答は報告順位を見られている

2018.07.08記事を更新しました。

ここから、文書による報告について共に考えていきたい。
文書による報告の仕方にもいろいろコツがあるが、その前に、サラリーマン社会では、回答の早さというものを見られていることに注意する必要がある。
それが、今回のテーマである「要回答は報告順位を見られている」である。

 

これは、どういうことだろうか?
このテーマを考えるとき、まず日本の会社組織の運営というものをよく知る必要がある。
日本の会社組織は、文書による指示とそれに対する回答で回っていると言っても過言でない。
この現象は、企業の大小を問わず共通である。
あなたも、毎日パソコンを開いては、会社通達や指示を読んでいるではないか。また、メールもチェックしているではないか。
あなたも感じているように、日本のサラリーマン社会は、通達や文書による指示、メールによる指示、それに対する回答で回っている。
口頭による指示もあるが、上記に比べるとはるかに少ないだろう。

 

さて、こんな中で、「要回答」と称する指示の仕方がある。
あなたも知ってのとおり、この「要回答」は、ある一定の条件にあてはまる組織や従業員から回答を得たいときに用いられる。
「要回答」の中には、「担当一覧表の作成」みたいにすぐにでもできそうなものがある一方、「売上見込みの報告」とか、「前月の成果と今月の取り組み」、「コンプライアンス会議報告」のように毎月一定の時期にかならず報告しなければならないものもある。また、「今年度の課題と施策」のように重いもの、さらには、「取り組み状況報告」など前もって指示を受けたことに対する回答がある。

 

こんなことを思い浮かべるだけでも、気が変になってくるが、日本のサラリーマン社会では、軽重さまざまな「要回答」がごちゃまぜになって、忙しい業務の中で飛び交っている。
これで企業が回っていると思うと不思議な気持ちさえ覚える。
それと同時に、「日本のサラリーマンってつくづく大変だな」と思う。

 

あなたも、こんな「要回答」ラッシュに、心の底からうんざりしているはずだ。
そして、「こんなことに時間をかけて、いったいなんになるんだ。生産的でないよな。他にやるべきことはいっぱいあるのに」と、きっと思っているはずだ。
それは、そのとおりなのだ。
そして、そう思い始めると、「要回答」ラッシュへの慣れも手伝って、「どうせ、回答期日もサバ読んでいるんだろ。ちょっとくらい遅れてもいいよな。だいいち、こんなに忙しいときに、たくさんの要回答を出す方がおかしいんだ」と要回答をいい加減に扱うようになってくる。

 

私には、その気持ちは痛いほどよくわかるが、「ちょっと、待ってくれ」と言いたい。
その理由は、あなたが「ちょっとくらい遅れてもいいよな」と思っていても、このやらなければならない要回答自体は頭から消えることはなく、いつかはやらなければならないからである。
このやるべきことが頭から消えないということは、他の仕事への影響もある。
このことが頭に残っていると、他の仕事への集中力がなくなってしまうのだ。
また、退社する際に、やり残した要回答のことが気になり、家に帰ったら帰ったで、そのことが気にかかり、翌朝、出勤する足も重くなる。

 

この点について、きわめて現実的な答えを言うならば、そんな気持ちになるのなら、「嫌なものを先にやってしまう」くらいのつもりで、やってしまえばいいのである。
私は、前に、「サラリーマンのピンチは、やるべきことや問題を同時に進行させることから始まる」と述べた。
この要回答は、まさに同時にやるべき事の一つになりかねない。
こんなことから、業務でのピンチやメンタル面での問題が発生するから注意が必要なのだ。

 

そして、もう一つ理由がある。
これも、きわめて現実的な話にはなるが、会社や上司は、部下の要回答の取り扱いを見ている。
はっきり言えば、あなたの上司は、この要回答の報告順位を見ている。
なぜか?
ここは、上司の立場になって考えてもらいたい。
あなたの上司は、部下や管下組織の要回答を取りまとめ、上部組織に提出する役目を負っているか、それとも自ら要回答を発し、その回答を待っているかのどちらかである。
前者の場合、あなたの上司は、一刻も早く回答を取りまとめて上部組織に送りたいのだ。一刻も早く自分の手から離したいのである。
それは、あなたの上司は、あなた以上に忙しいからである。そんなことに構っていられないからだ。
後者の場合は、あなたの上司は、みんなからの回答を基にして、資料を作るか自分の仕事の材料にしたいのである。
早く自分の仕事に取りかかりたいため、「まだか、まだか」と部下の回答を待っている。

 

そう、あなたが思う以上に、あなたの上司は回答を早く欲しがっている。
そんな状況から、「アイツは早い。アイツは遅い」と報告の順位をつけている。
現実は、部下の報告順位は、どんな要回答でも、判で押したように決まっている。
上司はそんなことを感じ取ると同時に、次のことも感じている。
要回答の順位は、仕事のスピードとまさに一緒であるという事実だ。
仕事が早い人は、要回答もやはり早いという事実である。
私も管理職の経験が長かったから、実際にその相関性を実感していた。
そして、要回答の遅い人を見るたびに、「これでは、仕事も上手くいっていないだろうな。これでは得意先から信頼を得ることはできないだろうな」と思い続けていた。

 

重要なことは、要回答の早さで、その人がわかってしまうという怖さである。
かなり期日に余裕を残してさっさと済ませてしまう人、期日だけはぜったいに守る人、期日間際にやっと重い腰を上げる人、期日を過ぎても平然としている人、要回答自体を忘れている人………。
人それぞれの性格や、仕事ぶりまでもわかってしまう。

 

ということは、たかが要回答かもしれないが、されど要回答なのである。
評価表の項目に記載されることはないが、あなたの上司の大きな評価ポイントなのである。
ぜひ、注意してもらいたい。

 

 

ポイント
①「要回答」はサラリーマンが嫌がる業務の一つである。「嫌なものを先にやってしまう」くらいの気持ちでさっさと片づけてもらいたい。
②「要回答」の取り扱いの怖さは、他の仕事ぶりまでも彷彿させてしまうことである。
③「要回答」の報告順位は、評価表の項目に記載されることはないが、上司の大きな評価ポイントになっている。

 

 

 

 

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