「できる社員」は折り返しの電話をもらわない?

2025.10.15更新

 

得意先に折り返しの電話をお願いしていませんか?
考えてみれば、こちらが用件があって電話したのに、折り返しの電話をお願いするのはちょっと失礼です。

相手が電話中だったり、不在だった場合、電話を受けた人にどう言えばよいか考えていきましょう。

 

実際によくあるケースから見ていきましょう。

 

得意先に電話をかけます。

しかし、相手が電話中だったり、不在だったりすることはよくある話です。

こうした場合、電話に出た人はたいてい「折り返し電話をさせましょうか?」とききます。

 

ここで、「ええ、お願いします」と答えてはいけないのです。

 

なぜでしょう?

たいがい、電話に出た人はメモを残すからです。

 

多くの会社ではメモ用紙は所定のフォームで印刷されており、電話に出た人はそのフォームの「電話を下さい」に○をつけます。

 

いまはいくらメール世界といっても、メモの世界はいっこうに衰えずに残っています。

たぶん電話に出た人は、わざわざメールを打つよりも、メモを書いた方が楽で早いからなのでしょう。伝達漏れも少なくなります。

 

 

 

問題はこのメモから始まります。

 

電話を終えた得意先、あるいは外出先から戻った得意先はそのメモを見ます。

メモには「電話を下さい」と書かれてあります。

 

メモを見た得意先は、その瞬間、絶対にいい気はしません。

憤りを持つ人も多くいます。

 

それは、ほとんどの場合、得意先側からは用がないからです。


「用があるのは向こうにもかかわらず、電話をよこせとは、なにごとか」と思うのです。

 

 

それでも、得意先のなかには奇特な方がいて、そんな不愉快な思いを持ちながらも、折り返しの電話をかけてくれる人もいます。

 

すると、受話器から聞こえてくる声は、

たいがい「いやーすいません。来週の水曜日、ちょっとお時間頂戴できないかと思い電話したのです」という内容です。

 

これでは、いくら会社が顧客第一主義を掲げていても、ビジネスのイロハのイの字もわかっていないことになります。

 

 

それでは、「できる社員」はどうしているのでしょう?

 

電話に出た人が「折り返しの電話をさせましょうか?」と言うときに、「いや、こちらからかけ直します」と答えています。

 

こう答えると、電話に出た人は多くの場合、電話した相手が、電話を終えたときや外出先から戻ったとき、「さっき、○○商事の✕✕さんから電話がありましたよ」と伝えます。


相手は「おや、何かあったんだろうか」と気になります。

 

こうして相手から電話がかかってくるのです。

 

このケースは、形の上では相手から折り返しの電話をもらっていますが、「こちらからまた電話をします」と言っているなかでもらう電話であり、失礼にはなりません。

 

相手から電話がかかってきたときは、「すみません、わざわざ電話をいただきまして……」と言えばよいです。

 

 

 

実際のビジネスの現場では、こちらから電話をかけ直しても、また相手が電話中だったり、不在だったりすることも多くあります。


このことも、よく経験していることです。

 

そんなとき、どうするか?

きっと、電話を取り次いだ人は気の毒がって、いっそう「折り返し電話をさせましょうか?」ときくはずです。

 

そのときには、「電話があった旨をお伝えください」と言ってください。

 

すると、相手から、たいてい「何度も電話をいただいて……」と電話がかかってきます。


これも、相手も何度も電話をもらっていることを気にしている証拠であり、失礼にはなりません。

 

それでも、まだ相手と連絡を取れないケースもあります。

そんなときは、本当に困ってしまいます。


裏ワザがあります。

 

それは、もし、みなさんが電話を取り次いだ人と親しく、なおかつ、みなさんが得意先と十分に親密な関係にあり、よく知られているときは、その取り次いだ人から電話をもらうことです。

 

たとえば得意先の秘書などがこれに該当します。

 

具体的には、「恐縮ですが、✕✕常務の電話が終わりましたら、その旨ご連絡いただくことはできませんか?」と頼めばよいです。

 

すると、電話に出た人は、何度も電話をかけていることを気の毒がっているので、きっと了承してくれるはずです。

 

はたして、電話に取り次いでくれた人から電話がかかってきます。

その人は「いま、常務の✕✕と代ります」と言います。

 

繰り返しになりますが、このケースが使える場合は、みなさんの会社と得意先とがよほど親しい関係にあり、しかもみなさん自身のことを得意先もよく知っている場合です。

新規開拓などのアポ取りで、絶対にこの裏ワザを使ってはいけません。

 

それでは、緊急の折り返しの電話が必要な場合はどうすればよいでしょうか?

 

そのときは、そのまま「緊急の事態が発生しましたので、たいへん恐縮ですが、折り返しのご連絡をいただきたいと思います」と言えばよいです。

 

電話に取り次いだ人も、そう伝えるからです。

 

 

ビジネスの世界では、「どちらに用件があるのか」がきわめて重要です。

相手なのか、それとも、こちらかということです。

 

こちらに用件がある場合は、相手から折り返しの電話をもらってはいけません。

この点を「できる社員」は正しく区分けし、ソツがありません。

 

綾小路 亜也

 

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか 

「できる社員」は折り返しの電話をもらわない から

 

 

 

 

関連記事:上司に「折り返しの電話」をお願いすることにも注意

上司から「折り返しの電話」をもらっていませんか?

 

 

できる社員のビジネスマナー

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

本の目次

 

スマホで読む方法

 

 

【目的、難易度別】ビジネスマナーが効率的に学べるおすすめ本9選に選ばれています。

 

 

 

◆企業で働く人のビジネスマナー(発行書籍)

 

出世するビジネスマナー
「出世しぐさ」のすすめ

「出世しぐさ」のすすめ

本の目次

 

「出世しぐさ」は商標登録されました

 

 

情報を軸にした 新しいビジネスマナー

情報セキュリティ時代のビジネスマナー

本の目次

 

「情報セキュリティ時代のビジネスマナー」は商標登録が認められました。

 

 

ビジネスマンのハンコの押し方・持ち方

印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方

本の目次

 

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所のキャリアアップを実現する本のシリーズ

 

ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

 

エリート社員に打ち勝つ! あなただけの出世術

 

コロナ後の「たった一つの出世の掟」

 

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

 

 

◆メルマガ「出世塾」の情報
(まずは発刊内容をご欄ください)

https://shinyuri-souken.com/?p=28756

 

◆キャリア理論の本紹介
https://shinyuri-souken.com/?page_id=41933

 

 

出世は「構え方」で決まります

◆新百合ヶ丘総合研究所の出世四部作

出世四部作