「なぜか出世する人」の特徴は? ー 自分を、前面に出さない人たち

今までの出世術は、「自分がやった」「自分がいたから」と、自分を前面に出すことでした。しかし自分を前面に出さないで、出世する人たちがいます。

「なぜか出世する人」です自分を前面に出さないので、周りの人から見れば、出世する理由がよくわかりません。だから、「なぜか出世する人」と言われるのです。

 

1.敵を作らない人

「自分がやった」「自分がいたから」と、自分を前面に出すことは、人との比較において、自分の存在を際立たせることです。

言い換えると、存在感において、人に勝つということです。

じつは、これが、今まで出世への道と考えられてきました。

 

このことは、出世について書かれたビジネス書を読むと、一目瞭然です。

その狙いは、人との比較において、「できる」をアピールことだからです。

 

しかし、人との比較において、自分をアピールすることは、同時に敵を作るということです。

成果偏重の時代は、それでも出世できました。

 

しかし、今の時代はそうは行きません。

昇進は、その人を取り囲む人のあらゆる意見を聞いて、決められるからです。

 

この点について、『「出世しぐさ」のすすめ』は、今の時代、出世するには反対票を投じられないことと述べています。

 

ここでクローズアップしてくるのが、「なぜか出世する人」です。

この人たちは、自分を前面に出しませんから、敵を作ることがありません。

出世の俎上に乗ったとき、反対票が入らないのです。

 

実際、今は自分を強力にアピールする人より、「なぜか」タイプの人が出世しています。

しかし、その人たちには、出世する理由があるのです。

 

 

今までの出世術は、自分が前面に

2.組織を軸に考える人

自分を前面に出す人には、自分が組織を回すといった強い思いがあります。

その思いは尊重されるべきですが、そこには、どこまで行っても「自分が」という軸があります。

 

一方、組織のために、自分にできることはないかと考える人たちもいます。

その人たちの軸は、あくまで組織なのです。

 

一見、似ているようですが、周囲の人の反応は違うはずです。

自分を前面に出し、組織を回す人は、「結局は、自分のためでしょ」と見られてしまいます。

 

また、「自分が」と考える人は、大きな成果を狙います。

自分の成果につながるからです。

 

そんななかで、組織を軸に考える人は、組織の継続した成果を考えます。

 

このことについても、出世事情に触れておきます。

じつは、かつては、大きな成果を上げた人が出世しました。

目立ったからです。

 

しかし、今は、企業は大きな成果も大事にしますが、それよりは組織の安定的成長のために、継続した結果を重視します。

 

ここで、またクローズアップしてくるのが、「なぜか出世する人」です。

仮に大きな成果を上げた人が出世しても、「なぜか」は生まれないでしょう。

しかし、地道に継続した結果を出し続けている人は、目立つ人ではありません。

それゆえ、「なぜか」が生まれます。

 

「なぜか出世する人」は継続した成果を出し続けている人なのです。

 

この点について、『コロナ後の「たった一つの出世の掟」』では、今の時代、継続している「事実」を自分で表現することが大事と述べています。

 

 

3.評判がいい人

出世を決める大きな要素は、「評判がいいか」どうかです。

実際、昇進の俎上に乗っても、評判がよくないということで、はじかれてしまう人は多くいます。

この「評判」という要素は、けっこうあてになる要素なのです。

その人の一面を、たしかに反映しているからです。

 

ここで、私たちが考えなければならないことは、「できる人」「優秀な人」=「評判がいい人」には、ならないということです。

このことは、「できる人」「優秀な人」が必ずしも出世するわけではないことを、示しています。

 

では、組織で、どんな人が「評判がよくない人」となってしまうのでしょう?

さまざまな要素があると思いますが、端的に言えば、「自分勝手」な人です。

 

なぜ「自分勝手」に見られるかといえば、自分を前面に出しているからです。

逆に、自分を前面に出さない「なぜか出世する人」は自分勝手に見られません。

 

ここにも「なぜか出世する人」と思われる人が、出世する理由があるのです。

 

「評判」を考えるとき、ぜひ参考にしたい本があります。

相原孝夫氏が書いた、『会社人生は「評判」で決まる (日本経済新聞出版)』です。

「出世にイチオシの本・3冊」のなかの1冊に選んでいます。

 

 

「評判」は出世で重要な要素

4.これからは、「なぜか」と思われる人が出世する

出世する人は、時代の趨勢と関係があります。

にもかかわらず、私たちは相変わらず、自分を前面に出すことで、出世をめざしています。

人との比較において、「できる人」「優秀な人」に見られたいのです。

 

しかし、今の時代、そのやり方ではなかなか出世できません。

ここで、みなさんに参考になる言葉があります。

それは、「組織内で押し出すように生まれた力が、出世である」という言葉です。

( 『「出世しぐさ」のすすめ』 から)

 

今の時代、「自分が」「自分が」では、出世できないのです。

組織内で、自分を押し上げる力が生まれないからです。

 

ところが、不思議なことに、「自分が」を捨てると、組織内で、自分を押し上げる力が生まれます。

「なぜか出世する人」は、そんな不思議な力をもらった人と、言えるかもしれません。

 

綾小路 亜也

 

 

 

 

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2025年12月6日 | カテゴリー : 出世する人 | 投稿者 : ayanokouji