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相手が不在だった時に置く名刺は、効果があるのか?
2024.10.03更新
相手が不在だった時に置く名刺に「効果があるか?」と思っている人は多い。単刀直入に言えば、一定の効果がある。ただし置き方にもよる。
どんな名刺の置き方が効果的か、考えてみよう。
1.取引先担当者の上司に置く名刺
取引先の担当者との打ち合わせが終わり、辞去する際に行いたいことがある。
「○○課長(△△部長)にご挨拶して帰ります」と言うことだ。
先方の上司が在席ならば、「お世話になっております」「✕✕さんと打ち合わせさせていただきました」とひと言、言えばよい。
不在なら、名刺を取引先の担当者にお渡しするのだ。
すると、上司の机の上に置いてくれる。
そんな名刺には効果がある。
「よく来てもらっている」「よく打ち合わせしている」と頭に刻み込まれるからだ。
そして、部下の業務を「あの案件、予定どおり進んでいるか」「協力業者と上手く打ち合わせできているか」たえず心配している上司に安心感を与える。
その安心感は、新事業での取引業者決定など重要な局面で形として現れる。
「よく来てもらっている」「よく打ち合わせしている」は、これからも「よく来てもらえる」「よく打ち合わせしてもらえる」という期待感につながるからだ。
外資系コンサルタントが聞けば、驚く話かもしれないが、日本の企業はこのような形で取引業者が決定することが多い。
考えてみれば、このことは理に合っているのだ。
事案を先に進める力を持っているのは、取引先の上司だ。
取引先の上司に置く名刺は効果が高い。
先方の上司に置く名刺は効果が高い
2.訪問趣旨が伝わる名刺
訪問趣旨が伝わる名刺も効果が高い。
たとえば、ちょっとお世話になったときに置く名刺だ。
そんなとき、お礼訪問というと大げさになるので、アポはとらないのが普通だ。
だから、相手は不在なことが多い。
しかし相手はすぐに名刺の意味を汲み取る。
「わざわざ来てくれたのか」ときっと思う。
それだけでも効果大だ。
こんなときは、名刺に「先日はお世話になりました」「先日はありがとうございました」と一言メッセージを加えてもよいだろう。
また、依頼されたものを届けた際に置く名刺も効果的だ。
この場合は「ご依頼の書類を持参しました」と、一言名刺に書けばいい。
相手は「出来上がってすぐに届けてくれた」と感謝するに違いない。
この場合も「早く届ける」が主ならアポを取ることなどない。
相手が不在だった時の名刺への一言例は多数紹介されている。
「お伺いしましたが不在でしたので名刺を置かせていただきます。またお伺いさせていただきます」といった内容だ。
しかし相手からすれば、訪問されたことも、名刺が置かれたことも、再訪問を告げられたことも、自分とは関係がない一方的な話だ。
そんなメッセージに相手は気を留めることはない。
最大の問題点は、訪問趣旨がわからないことだ。
ということは、置いた名刺には、自分と相手とを結ぶ何かしらの関係が必要ということになる。
日頃お世話になっているならば、「お世話になっております」と書いた方がよほど効果的ということだ。
もっとも、そんな場合は一言書かなくても、相手は表敬訪問ときっと察するだろう。
名刺を置く場合も、お世話になっていることへの感謝、お礼、報告といった訪問趣旨を持つことが必要だ。
訪問趣旨が伝わる名刺か?
3.名刺を積み重ねても、工作は進まない
訪問趣旨が伝わるような名刺の置き方が大事と述べた。
ところが、なぜか日本のビジネス社会では、訪問自体が伝わることに重点が置かれる。
それが一番現われるのは、新規工作の場面だ。
ひたすら訪問し、名刺を置いて帰るのだ。
それだと、訪問し続ける熱意は買われるかもしれないが、先に進まない。
進む材料がないのだ。
しかし、その気持ちはわからなくはない。
言うまでもないが、新規工作は訪問回数に意味があるのではなく、提案する中身に意味がある。
だが提案の中身をなかなか説明できる機会を持てない。その機会を窺うために訪問を繰り返すのだと思う。
こうしたスパイラルから脱出するには、いかに訪問するかではなく、提案の中身を説明する場をいかに作るかに発想を変えてみたらどうだろうか。
このことも現実には難しいだろう。
しかし、そう考えると方策は見えてくるかもしれない。
取引先から紹介をもらうという手段もあるし、名刺を置くよりは、先方が食いつきやすい一枚物の資料を置く戦術に切り替えるという手もある。
ただ、「名刺を置く」だけでは効果が薄いことはたしかだ。
名刺をただただ置くは効果がない
4.相手から電話が来るようなら、訪問は成功
机の上に置かれた名刺を見て、相手から電話がかかってくることがある。
「ご訪問いただいたのに、申し訳ございませんでした」といった内容だ。
このような電話がかかってくるようなら、訪問は成功だ。
こんな場合、「ご用件は何でしょう?」ときかれることはない。
相手は訪問の趣旨をよくわかっているからだ。
そんな電話から「今度ゆっくりお話ししましょう」などと話が発展することも多くある。
こんなことが、ビジネスの訪問の意味なのだ。
考えてみれば、なぜ相手は電話をかけてきたのだろう?
訪問した人のことが気になったからだ。
そこには、「わざわざ訪ねてくれた」「お忙しいのに」「お礼を言うのはこっちなのに」「そういえば最近お会いできていない」「一度ゆっくり話したい」など、さまざまな思いがある。
みんな思いが電話をかけさせたのだ。
「置いた名刺は効果があるか」から出発したが、
名刺にはその人の顔が写っている。
その人の顔が浮かぶような置き方が、上手い名刺の置き方ではないだろうか。
綾小路 亜也
相手から電話をもらうようなら、訪問は成功
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