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「お辞儀ハンコ」は本当にビジネスマナーなのか?

2024.11.27更新

 

「ハンコのお辞儀押し」とは上司に決裁をもらう時、ハンコを左斜めに傾けて押すことです。お辞儀をしているように見えることから「お辞儀ハンコ」と呼ばれます。

この「お辞儀ハンコ」が上司にハンコをもらう時のマナーというのです。

おかしくないですか?

 

「お辞儀ハンコ」は、2015年11月8日放送のバラエティ番組「スクール革命!」(日本テレビ系)が同日取り上げた、「知らないと恥ずかしい大人の常識クイズ!」で紹介されました。

 

番組のなかで、「上司に出す印鑑の押し方より良いのは?」というビジネスマナーのクイズがありました。

 

あるマナー研究家の方が「これは実際に官庁や金融系などでビジネスとして使われているビジネスマナー」とことわったうえで出題しました。

 

解答の選択肢が画面に映し出されました。

A左斜めに傾いているハンコ

Bまっすぐなハンコ

C右斜めに傾いているハンコ

のうちから正解を選ぶものでした。

 

マナー研究家の方は、正解はAとし、「まっすぐはもちろん間違いではなく、大丈夫なんですが」とことわった上で、

「本当に見たまま押された印鑑を見ると、上司にお辞儀をしているように見えるのでAが正解」と理由を述べたのです。

 

そして、「本当に少し気をつけていただけると、おしゃれな押し方になる」とコメントを付け加えました。

 

 

ハンコで頭を下げたということ

 

この放送を受けて、ネットで批判の声が湧き起こりました。

 

それは、「書類の上でも上司にお辞儀をするのか」という驚きの声であり、「それではごますりではないか」という声であり、「まっすぐ押すのがやはり正しいのではないか」という声でした。

 

もちろん「お辞儀ハンコなどくだらない」という声も多数ありましたが、総じて、「お辞儀ハンコ」は「気持ち悪いビジネスマナー」として掲載されています。

 

たしかに担当者、主任、係長、課長など、みんながお辞儀するようにハンコを押している姿は、気持ち悪いですよね。

 

また、「自分が勤めていた会社でもこのような『お辞儀ハンコ』はあった」という声、逆に金融機関に勤めていた人でも、「そんなことはなかった」という声もありました。

 

お辞儀ハンコは嘘という声、いやお辞儀ハンコは実在するとの声が錯綜したのです。

 

 

結論から言います。

お辞儀ハンコがビジネスマナーであるはずがないのです。

 

そのマナー研究家の方はマナーは気づかい、敬意を表す作法と考え、上司に決裁をもらうときは、ハンコをお辞儀押しし、気づかいと敬意を示した方がよいと考えたのだと思います。

 

逆なのです。

上司に決裁をもらうときは、ハンコの向きを左に傾けて押すのがマナーではなく、真っすぐに押すのがマナーなのです。

ハンコの向きのマナーはあくまでも「まっすぐ」です。

 

そして「ご確認お願いします」とひと声添えて、書類を上司の向きにして渡すのです。

 

 

ハンコは真っすぐ押す!

 

だが、実際に官庁や金融機関で行われている「お辞儀ハンコ」をどう解釈すればいいのでしょう?

 

ここも、マナー研究家の方の「これは実際に官庁や金融系などでビジネスとして使われているビジネスマナー」と、「ビジネスマナー」であると決め打ちしたことが真実を見えなくしています。

 

正しくは、「これは実際に官庁や金融系などで使われていることがあり」であり、ここで止めておくと真実が見えてきます。

それに、すべての官庁や金融機関が「お辞儀ハンコ」をやっているわけでもありません。

 

 

「お辞儀ハンコ」は、一部の官庁や銀行などに勤める人が行っている表現方法なのです。

 

それは、その人たちの表現方法ですから、外部の人がとやかく言う筋合いではありませんが、暗くジメジメしていて、あまりよい表現方法ではないと思います。

 

その人たちの表現方法であるから、それはビジネスマナーではなく、慣習、あるいは因習なのです。

 

 

「お辞儀ハンコ」問題を通して、考えなければならないことがあります。

 

最近、マナー研究家やビジネスマナー研究家の方は、次々に新しいマナーやビジネスマナーを作り出しています。

思いやり、気づかいを基軸にすれば、マナーやビジネスマナーは無限に生まれるのです。

だが、それが本当にマナーなのか、ビジネスマナーなのかということは考えなくてはなりません。

 

一部の人だけに通じる話ならば、それはマナーというよりは慣習です。

 

その見極めの格好の例が、「お辞儀ハンコ」だったと思います。

 

 

いま、ハンコを押す機会は減っています。

減っているからこそ、そこで差をつけようと考える人が出て来るかもしれません。

「お辞儀ハンコ」はいつ再燃するかわからないのです。

 

益がない議論を繰り返したくないものです。

 

 

綾小路 亜也

 

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上司への気づかいはお辞儀押ではない

 

 

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