今の時代に求められるリーダーは? 特定分野に精通し、組織を引っ張る

2025.03.29更新

 

今の時代に求められるリーダーは、特定分野に精通し、そこで得た方法を基に組織を引っ張ることです。その分野は何でも構いません。

この点について、参考になる本があります。

堀場製作所を設立した故堀場雅夫氏が書いた仕事ができる人できない人(堀場雅夫 三笠書房)です。

 

本のなかに次のような記述があります。(下線は私が引きました) 

 

私が言うゼネラリストとは、世間で考えられているような意味のものではない。一般的にスペシャリストは「狭く深く」、ゼネラリストは「広く浅く」といったイメージで解釈されているようだが、それは大きな誤解である。

ゼネラリストになるには、まず″一芸″に秀でることが大前提なのである。

つまり、ある分野でスペシャリストになり、そこで得た方法論をほかの分野にも活かして、そこでもスペシャリストになる。そうしてはじめて「広く深い」、本来の意味でのゼネラリストになることができるのだ。

 

 

仕事ができる人できない人

『仕事ができる人できない人』

 

記述内容から、「内部労働市場」にいる一般のビジネスマンを対象にしていることがわかります。

 

注目すべきは、ゼネラリストを「広く深い」と述べていることです。

 

そのためには「″一芸″に秀でる」こと、すなわち「ある分野でスペシャリストになる」ことが必要だとしています。

 

「ある分野でスペシャリストになる」とはどのようなことでしょう?

 

このことを、「ある分野に『専門性』をもつ」と解釈してもよいかもしれませんが、「専門性」という言葉を使うと中身がぼやけてしまいます。

 

堀場氏も「専門性」という言葉を使っていません。

 

「ある分野でスペシャリストになる」とは、業務のなかで「特定の分野を極めた」ことだと考えます。

 

そう捉えると、いまいる会社で出世をめざすゼネラリストに合うからです。

 

ただ、「極める」は「これより先はないというところまで行き着く」(『デジタル大辞泉』)ことなので、重い言葉ですが、その判断は業務に一所懸命取り組んだ結果、精通し、自分だけのものをつかんだでもよいと思います。

 

しかし、「営業を極めた」などと言うのは範囲が広すぎるし、言い過ぎです。

 

だからこそ、過去の継続した「結果」を整理し、何を極めたかを考えることが重要なのです。

 

その結果、「新規開拓を極めた」「○○地域の営業を極めた」「採用業務を極めた」と言うことは可能です。

 

 

極めたものが大事

 

「極めた」ものがあることは大きな意味をもちます。

 

極めたものが今の業務と関係しなくてもかまいません。

極めたものが「ある」ということが重要などです。

 

極めたものがあれば、堀場氏が言うように、そこで得た方法論を今の業務に活かせます。

組織運営、部下指導、業績に有効に働くということです。

極めたものを自分の軸とし、組織を引っ張っていけるのです。

その姿は自らも貢献するリーダーです。

 

ところが、ほとんどのビジネスマンはそんなリーダー像をめざしてきませんでした。

 

ジェフリー・フェファーはベストセラーとなった悪いヤツほど出世する(ジェフリー・フェファー 村井章子訳 日本経済新聞出版社)のなかで、リーダー像は数十年間ほとんど変わっていないと指摘し、その内容を次のように言います。

 

リーダーは信頼を得よ、最後に頼れる人であれ、真実を語れ、人に(とくに顧客や部下に)尽くせ、控え目であれ、思いやりと理解と共感を示せ、等々である。

 

 

悪いヤツほど出世する

『悪いヤツほど出世する』 

 

まさに私たちが教わり、めざしてきたリーダー像です。

 

考えたいことは、このようなリーダー像は普遍的だということです。

誰にも当てはまってしまうということです。

リーダーの中身も見えてこないし、リーダーになった過程もわかりません。

 

「それではさすがにまずい」ということで、仕事の進め方や時間管理術などを織り込んだ「できる人」を書いた本が生まれたのだと思います。

 

だが、よくよく考えれば、これらの本が述べる仕事の進め方や時間管理術なども、やはり誰にも当てはまってしまいます。

 

理想のリーダーをめざすこと、できる人になることは大事ですが、問題は、そのような誰にも当てはまってしまうことで、ポストを射止めることができるかということです。

 

内容が普遍的だけに、それらをもつ大勢のなかで戦わなければならなくなるということです。

 

今の時代、普遍的な内容で選ばれることは難しくなっています。

 

それに比し、特定の分野を極めるということは、その人にしか当てはまりません。

それゆえ特定の分野を極めることは重要なのです。

 

綾小路 亜也

 

コロナ後の「たった一つの出世の掟」

特定の分野を極め、自らも貢献するリーダーになる から抜粋 

 

 

 

 

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