2024.04.05更新
会社が昇進させる理由は何だろう?
昇進できなかった人は「自分は会社に貢献したのに、なぜ会社は報いてくれないのか」と嘆くが、会社は上の立場に立っても、会社に貢献できるか考えている。
会社は貢献した結果ではなく、これからも貢献できるか考えている
どういうことだろう?
それは、貢献した方法が、上の立場に立っても通用するかどうかということだ。
昇進できなかった人の理由については、
今の昇進基準である「課長の仕事にふさわしい人を課長にする」「部長の仕事にふさわしい人を部長にする」という「入学基準」から説明できるが、
そんな理由を言われても、当の本人は煙に巻かれたような感覚になるに違いない。
じつは、多くの場合、会社はそんな人にも報いている。
役職で報いるのではなく、報酬という形で報いている。
このことを、拙著『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』のなかで、
「成果で報いられる人から、役職で報いられる人になる」という見出しを立て説明した。
つまり報い方が人により異なるようになったということである。
役職で報いられるのではなく、報酬で報いられる人もいる
役職で報われる人と報酬で報われる人の差は、どこから生まれるのだろうか?
ヒントは「結果」のなかにある。
方法なのだ。
不振店を優績店に蘇らせる人の場合、自身ががむしゃらに働いたことによる結果だったならば、
その人は今後も不振店を優績店に変貌し続けるだろうが、今の時代そのことが上の役職に押し上げることにはならない。
それが、組織のやるべきことと不要なことを整理し、職場の人の目標に対する集中力を高めた結果というならば、その方法はその人が上の立場になっても通用する。
同様に新規開拓で成果をあげる人の場合も、自身がリスト片手に次から次に未取引先に飛び込み続けた結果だったならば、
その行為は称賛され、その人は今後も成果をあげ続けるに違いないが、そのことが上の役職に押し上げることにはつながらない。
それが、既取引先の取引業者を調べ上げ、そのなかから自社未取引先を抽出し、既取引先からの応援を得た結果というならば、その方法はその人が上の立場になっても通用し、管下職員へのアドバイスにもつながる。
すなわち会社は職員の貢献はどんなときも評価するが、貢献の方法が上の立場になっても通用するかどうかを見ている。
その結果、上の立場に立っても通用するという確信をもてたとき、昇進させているのだ。
会社は貢献の方法を見ている
会社社会は、「なぜ自分は昇進しないのだろうか?」と思う人だらけだ。
ほとんどの人はその理由がわからず、わからないままサラリーマンを卒業してしまう。
もし出世に苦戦しているならば、現在の「方法」を考えてみることだ。
「課長にふさわしい」「部長にふさわしい」という言葉に、「方法」を加え、
「課長にふさわしい『方法』をとっているか」「部長にふさわしい『方法』をとっているか」と読み直してみる。
そうすると、「入学基準」が見えてくる。
今の出世は、継続的な結果を生み出した方法が、上の立場に立っても通用するかどうかにかかっている。
綾小路 亜也
貢献した人ではなく、上の立場になっても貢献する人が出世する から抜粋
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