2024.07.06更新
ケネス・J・リーガンとメアリー・ガーデンが書いた『現実はいつも対話から生まれる』は、社会構成主義の入門書です。
しかし、なかなか難解です。
二人の著者が、私たちに何を問いかけているのかという観点から、この本を考えてみたいと思います。
著者は、「私たちが『現実』だと思っていることはすべて『社会的に構成されたもの』であり、
「人が『何が現実か」を定めるとき、常にそれは、ある一つの文化の伝統から話している」と言います。
続いて、例が示されています。
「彼のお父さんが亡くなりました」ということを描写しようとするとき、
通常は「特定の身体機能の停止」と「構成」しますが、
「彼は昇天しました」
「彼は彼女の心の中に住み続けます」
「これは彼の生まれ変わりの新しいサイクルの始まりなのです」
「彼は苦しみから解き放たれました」
と語られるかもしれないのです。
これが、(語る人の)文化的伝統から、話しているということなのです。
この文化的伝統という言葉を、本のなかに記載されている言葉から、置き換えてみたいと思います。
それは、私たちが所属しているコミュニティー(共同体)ではないでしょうか。
コミュニティは「社会的関係性」によって成り立っています。
コミュニティには、それぞれ特有の判断基準があります。
そう、私たちは、コミュニティの価値判断に基づいて、話しているのです。
それゆえ、私たちが「事実」をとらえるときも、
それはコミュニティの価値判断に基づく「事実」なのです。
この本では、「限定された真実」という言葉、「見方の一つ」という言葉もつかわれています。
こう考えると、この本のタイトル「現実はいつも対話から生まれる」という言葉が、俄かに頭をよぎるのではないでしょうか?
その言葉はコミュニティの言葉
しかし、著者の意図は、もっと違うところにありそうです。
同じコミュニティ内で対話している限りは、「現実」は変わりませんが、
たとえば、違うコミュニティに所属する人と話した場合はどうでしょうか?
互いに自分のコミュニティから見た「現実」はありますが、対話することにより、互いの「現実」に気づき、新たな「意味づけ」を作ることも可能だということです。
すなわち、対話することにより、新たな「現実」が生まれるのです。
それは、「意味の創造」と言えます。
これが、著書が言う「現実はいつも対話から生まれる」の意味であり、私たちへの問いかけではないでしょうか。
著者は「私たちが日頃慣れ親しんでいる伝統の中にい続ける限り、人生はそのままでしょう」と言い、
「一緒に話し、新しい考えを聞き、問いを投げかけ、別の(代わりの)メタファーを考えることで、新しい意味の世界の敷居をまたぐのです。未来とは私たちが「一緒に創造する」ものなのです」と述べるのです。
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