コロナ後、人と会うことが減り、ビジネスマナーは垣間見られるようになった。
この「垣間見る」という言葉は、じつにイメージを伴った言葉だ。
「垣間」は塀や垣根を指すから、そんな隙間から、こっそりのぞいたり、チラリと見えること、物事の一端を知ることをいう。
要は、垣間見られるということは、自分が意識しないところで、人に見られていることになる。
コロナ後、人と会う機会が減ったために、人は垣間見たことから、物事を判断するようになったのではないだろうか?
情報量が少なくなった分、観察力を研ぎ澄ますことで補おうとしているのだ。
私たちは、コロナ前は、電車に乗っている人を漠然と認識するにすぎなかった。
しかし、今はどうだろう?
その人のマスクのかけ方から始まり、その人全体を観察するようになったのではないだろうか。
今、人に見せることを前提としたビジネスマナーにこだわり続けていると、いくら人への思いやりを強調しても、いくら本のタイトルに「新」を付けたとしても、従前型のビジネスマナーの枠を一歩も踏み出ず、時代の状況とズレが生じるのだ。
ビジネスマナーは、見せるのではなく、見られるものだ。
これがビジネスマナーの本来の姿ではないだろうか?
コロナ後、私たちはどのようなことを垣間見るようになったのだろうか?
人それぞれ、さまざまな体験をしたと思う。
私は、情報の授受を取り挙げたい。
コロナ後、オンライン研修を受講した人は多いと思う。
私も、さまざまな研修を受講したが、受講の申し込みから受講当日に至るまで、研修主催者や担当者により、さまざまな対応があることを知った。
対応は次のように3つに分かれた。
自動返信メール以外の対応だ。
①申し込み当日に、アクセスするURL、ミーティングID、パスワード、資料、緊急連絡先を含めた受講要領がメールで送られ、
研修前日に「明日です!」というタイトルが付いたメールで受講要領を重ねて送られてきたケース。
②申し込み当日に受講確認書、受講前日にミーティングID、パスワードが、資料は当日メールで送られてきたケース。
③申し込みから1週間後(研修1週間前)に、アクセスするURL、ミーティングID、パスワード、資料、緊急連絡先を含めた受講要領がメールで送られてきたケース。
受講者はちゃんと研修を受けられるか不安だ。
申し込んだ時点で、研修当日のアクセスを考えている。
この観点から言えば、①の対応が望ましく、②と③の対応には不安を覚えた。
重要なことは、「人を思いやる」と言っても、実際には、このような「差」が出てしまうことだ。
このことは、研修申し込みに限らない。
対面が減った今、ビジネスは情報のやり取りで進められることが多い。
そんなとき、情報を受け取ったこと、受け取った情報への対応を、できる限り早く相手に示すことが重要だ。
そのことで相手は安心感を覚える。
これが今の時代の相手への思いやりであり、ビジネスマナーである。
ところが、この対応が適切でないと、相手は「あれ?」と、その人、その会社の本当の姿を垣間見てしまうのだ。
対面が減ったことで、人の感性は鋭くなっている。
今まで、あまり気にしなかった相手の立ち去る姿にも目がとまる。
電車などの公共の場での、ビジネスマンやビジネスウーマンの会話も耳に入るし、態度にも目にとまる。
そんなとき、「あの人が……」と思われないことだ。
人への思いやりが本当に身についていれば、人に見られようが、見られないまいが、関係ないはずだ。
また、そんなことすら考えない。
今、まさに求められているものは、人を思いやる本当の姿勢だ。
ここが、人に見せるビジネスマナーになっていると、仮面は必ずはがれる。
綾小路 亜也
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