「持ち出し管理」について説明したい。
「持ち出し管理」は、会社のパソコンや業務情報を格納した外部記憶媒体(USBメモリ・CD・DVDなど)、書類などを持ち出す際に許可を与えることと、返却されるまで管理することである。
まずは、管理表のイメージからお話ししたい。
一枚のexcel表を頭に描いてもらいたい。
そのexcel表の列に、持ち出すもの・利用目的・持ち出し先・持ち出し日・返却予定日・持ち出す人・承認者・承認日・返却日・返却確認者が書かれているものが「持ち出し管理表」である。
簡単な表なのですぐに作れると思うが、ネットで記載例を探そうとすると意外に苦労する。
日本ネットワークセキュリティ協会がかつて中小企業情報セキュリティ対策促進事業の一環として作成した「機密情報持ち出し管理表」がピッタリなので参考にしていもらいたい。
次は、管理のイメージである。
持ち出しを希望する人は、持ち出すものと持ち出す理由および使用日を明らかにしたうえで申請する。
許可者が承認するときは、承認日を記入し、承認したことを明らかにする。
返却する際は、持ち出した人は持ち出しを許可した人に返却する。
返却を確認したら、返却日を記入し、返却されたことを明らかにする。
文章で書くと複雑な手続きのように見えるが、手続き自体はシンプルで手間もそんなにかからない。
持ち出し管理のポイントは何だろう?
持ち出し管理は、持ち出す人が申告しない限り始まらないから、まずは持ち出す際は必ず許可が必要なことを職場で徹底する必要がある。
それにより、会社や組織が知らない持ち出しを防げる。
いちばん重要なことは、そのパソコンや記憶媒体、書類を、本当に持ち出す必要があるか確認することである。
それは、持ち出した瞬間から、紛失・置忘れ、盗難などのあらゆるリスクにさらされるからである。
そんなリスクにさらさないためには、持ち出さないに越したことはない。
この考え方が非常に大事なのだ。
持ち出す理由には、持ち出さなければビジネスを進められない不可欠な要素がなければならない。
取引先に資料を持参したいといった場合も、事前にその資料をメールで送付できないかなど、代替手段を検討することが重要だ。
考えなければならないのは、出張するときだ。
ビジネスマナーの本は出張で忘れてはいけないものをリスト化することをすすめており、そのリストのいの一番には書類・資料が記載されている。
必要なものを確認することはもちろん大事だが、その書類や資料を本当に持参しなければならないのか検討することが、情報漏えい防止には欠かせない。
しかし、このことはビジネスパーソンには意外にむずかしい。
私もそうだったが、出張の準備をするなかで、「あの件が話題になったときのために、この書類も持っておいたほうがいい」「念のために、あの書類も用意しておいたほうがいい」といった具合に、出張先での展開を予想しドンドン持って行く書類が増えてしまうからだ。
ここに、すぐに会社に戻れない出張の重みがある。
ここは、ぜひ頭を切り替えてもらいたい。
述べてきたとおり、書類や資料を持って行けば行くほど、紛失・置忘れ、盗難などの事故の頻度が上がるということ、事故の頻度を極限まで下げる方法は、持ち出さないことがいちばんだということを思い起こしてもらいたい。
そう考えると、事故の頻度を下げるために、「持ち出し管理」があると言える。
綾小路 亜也
⑱ そのパソコン、その書類は本当に持ち出す必要があるのか から
*情報セキュリティ時代のビジネスマナーのポイント
①パソコン、記憶媒体、書類は本当に持ち出す必要かあるか十分に検討する
②持ち出しに代わる手段がないか検討する
③持ち出さないことが情報漏えい防止の最善策
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