2022.06.11更新
席を譲るときのひと声って、なかなか難しいですよね。
そんな声のかけ方を、言葉を分解しながらうまく説明している人がいます。
ここでは、話し方の専門家である渡辺由佳氏の言い方を紹介しますが、この言い方は部下にも使えます。
渡辺由佳氏は「もしよろしければ、おかけになりませんか?」と言い方で席を譲るといいいます。
「それなら、私もしている」と言う人は多いと思います。
着目すべきは、この言い方がどういう構造になっているかということです。
「おかけになりませんか?」という語尾に着目してください。
渡辺氏はこれを「否定形+疑問形」になっていると言います。
たしかに、「おかけになりません」は否定形で、「か」は疑問形です。
こうした「否定形+疑問形」にすると、「あくまでも選択権は相手にあり、私はあなたの希望に沿いますよ」という意思を伝えることになると、渡辺氏は言います。
何気につかっている「おかけになりませんか?」だが、こういう構造になっていたのです。
この「否定形+疑問形」はあらゆる場で活用できると思うが、部下との間で使ってみたら、どうですか?
上司は部下を気づかい、休憩を促す意味で、「ちょっと休もうか」という声をよくかけます。
しかし、部下はもう少し仕事を続けたいのかもしれません。
だが、上司から「休もうか」と声をかけられたなら従わざるを得ないと思います。
部下は上司からの提案と受けとめるからです。
仕事がうまく進まない部下を見て、「一緒にやろうか」という声もよくかけます。
上司は部下に手を差し伸べたつもりですが、そう言われると部下はことわりにくいのです。
もし「一緒にやらないか」と声をかけたならば、部下は「もう少し自分でやってみます」と言うもしれません。
残業する部下を気づかい、「帰ろうか」という声もよくかけます。
上司は自分と一緒に帰ることにより、部下の仕事にストップをかけたかったからです。
そう声をかけられると、部下は帰り支度をしなければならなくなります。
この場合も「帰らないか」と声をかけたならば、部下は「もう少し頑張ります」と答えるかもしれません。
よく考えてみると、「ちょっと休もうか」「一緒にやろうか」「帰ろうか」は自分が主体となり、相手に投げかけている言葉です。
「自分はこうしたいと思っているけど、どう?」と相手にきいていることになります。
これを「ちょっと休まないか」「一緒にやらないか」「帰らないか」と言えば、渡辺氏がいうように相手に選択権があり、部下は自分の気持ちを伝えることができます。
日本の会社や組織では、ほとんどの上司が部下を気づかっています。
だが、部下の声が反映した多面評価や他の人が実施した部下へのヒアリング結果を見ると、上司は驚きます。
自分はいつも部下のことを気づかい、声をかけていたのに、部下は「意見を聞いてもらっていない」「やらされ感がある」などと答えていることが多いのです。
もし「否定形+疑問形」で聞いていたならば、きっと違う展開になっていたのです。
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上司の解決案を、「指示された」と受けとめてしまう部下がいることを、拙著『ビジネスマンが見た 出世はタイミングで決まる!』に書きました。
そのことで、出世のタイミングを逃してしまう人がいるのです。
部下は、上司が考える以上に「やらされ感」を持っているのです。
部下には指示されたと受けとめられないことが大事です。
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