2023.03.02更新
宴席でのビジネスマナーは、相手のグラスやお猪口の空き具合に目を配ることと言われている。
かつては相手のグラスやお猪口が少しでも空いたら、積極的にお酌した。
しかし、今はそんなスタイルは流行らない。お酌の「さじ加減」が難しくなったのだ。
「できる社員」はほどほどにお酌している。そのさじ加減は?
お酌するタイミングを考えるうえで、
お酒の飲み方が変わったということを認識する必要がある。
日本の高度成長期やバブルを知っているビジネスマンは、当時を振り返ってもらいたい。
なにか、がむしゃらにお酒を飲んだという記憶はないだろうか?
そんな時代の接待は「機嫌よく飲んでくれた。きっと相手も満足しただろう」が、接待成功のバロメーターだった。
しかし、今の時代は違う。
それには焼酎ブームが影響している。みなさん自身もそうであるように、今は最初にビールを一、二本飲んだら、次はその人が好きなものを飲むようになってきた。
そんなとき、焼酎の水割りやお湯割りを飲む人が多く、ハイボールやウイスキーなどを飲む人も多い。
つまり、今の接待は昔のようにビールや日本酒一辺倒ではないということだ。
また、終始、差しつ差されつの時代でもない。
ゆっくりと楽しみながら飲む時代になった。
だから、相手の飲むペースにもよるが、焼酎などのお代りを次々に用意しておくというのも、私はちょっと違うのではないかと思う。
ビールやお酒をつぐ「さじ加減」については、
私自身の話で恐縮だが、金融機関の支店長をしていたこともあり、接待の場が本当に多かった。またお誘いを受けることも多かった。
私はそんな宴席を繰り返しているうちに、一つの考えを持つに至った。
それは、「人がお酌してもらいたいときは手酌したいとき」という考えだ。
みなさんも、家でくつろいでいるときは、冷蔵庫からビールを取り出したり、棚にしまってある日本酒を取り出し、手酌をしていると思う。
飲むにつれ、手酌のスピードもだんだんと落ちてくるのではないだろうか。
私は、こんな感覚を接待に応用できないかと考えたのだ。
宴会が始まる。最初の一杯は喉も乾いていることもあり、ビールをそれこそ喉に流し込みたい感覚になる。
人につがれなくても手酌したい感覚だ。
二杯目もまた、グイと飲みたい感覚が残っている。きっと一人だと手酌しているはずである。
このように三杯目、四杯目と考えていけばよいのではないかと思うようになった。
接待の場で相手に手酌させるということは、たいへん失礼なことだ。
このことは今も変わっていない。
だから、相手が飲みたいと思うとき、すなわち相手が手酌してでも飲みたいと思うときは、積極的にお酌にいき、相手のペースが落ちてきたときは、ほどほどにお酌をすればよいと思う。
「できる社員」も私と同じ感覚を持っている。
相手の飲み方を見て、「だいぶペースが落ちてきたな」と思えたら、無理にはお酌をしない。
相手の空きつつあるグラスやお猪口を適当に見逃し、合間、合間にほどほどにお酌をしている。
そう、相手のグラスを空けさせないという気づかいも重要だが、それを見て見ぬフリをする気づかいも必要なのだ。
綾小路 亜也
『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』
⑫ 「できる社員」はほどほどにお酌する から抜粋
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