2025.05.04更新
平成30年度版の「労働経済の分析」が公表された。
同書のなかに「人工知能(AI)などの技術革新を見据えた人材育成の課題」が掲載されている。
下図をご覧いただきたい。
棒グラフの左側が企業が重要だと回答した能力、右側が正社員が重要だと回答した能力だが、
注目すべきは、労使とも、「チャレンジ精神や主体性、行動力、洞察力などの人間的資質」「コミュニケーション能力やコーチングなどの対人関係能力」のほうが、
「企画発想力や創造性」「情報収集能力や課題解決能力、論理的思考などの業務遂行能力」「語学力や理解力、表現力などの基礎的素養」より高かったことである。
この結果に対して、本格的にAI時代の到来を迎えるビジネスマンやビジネスウーマンの反応は二通りだと思う。
一つは、「えっ、企画発想力や創造性、情報収集能力や問題解決能力、論理的思考じゃないの?」という反応であり、
もう一つは、「AI時代だからこそ、チャレンジ精神等の人間的資質や対人関係能力でしょ」という反応である。
だが、こうした図が掲載されていた場合には、資料の全体像を押さえる必要がある。
いま紹介した「AIの活用が一般化する時代において重要だと考える能力」の前に、「デジタル化が進んでいる産業において評価されているスキル」についての記載があった。
記載内容を図式化したのが、2番目の表である。
この表は「デジタル化が進んでいる産業では、業務内容が非定型的で複雑なものにシフトする中、「STEM」「数的思考力」「ICT」などの理系的なスキルだけでなく、自身の業務をしっかりと管理する『セルフマネジメント』のスキルや、他者の業務スケジュールの管理・他者との交渉などを行う『マネジメント・コミュニケーション』のスキルも重要視されている」ことを示している。
(注)
STM:「複雑な代数学や統計の活用」「図表の作成・準備」などの能力
ICT:ICT(Information and Communication Technology) IT(Information Technology)とほぼ同義だが、近年、ITに代わる言葉として使用されている。
2番目に紹介したスキルと、冒頭に紹介した能力とは異なる。
しかし、デジタル化の進展型がAIと考えれば、AI時代に求められる能力は、チャレンジ精神等の人間的資質や対人関係能力だけではないはずである。
当然ながら、情報収集能力や論理的思考、企画発想力や創造性も求められる。
AI時代にあっては、業務内容がますます非定型的となり複雑化していく。
そんななか、企業は、あらゆるスキルや能力、しかも高い水準のものを労働者に求めていくことが予想される。
そうでなければ、企業はAI時代に対応できなくなるからである。
すなわち、AI時代は、あらゆる能力が求められる時代だ。
労働者が能力を高めれば、高めるほど、報酬が高まる時代とも言える。
棒の左側(水色)がデジタル化が進んでいる産業 右側(紫色)がデジタル化が遅れている産業
資料出所 2表とも「平成30年度版労働経済の分析」厚生労働省
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