2024.11.16更新
「脇が甘い」はどんな状態を言うのだろう?
「脇が甘い」はビジネスでは、付け入るスキを与えているという意味で使われる。
脇は締まっているか?
すると、「脇が甘い」の反対語は何だろう。
「脇が甘い」は相撲に由来する。脇を固める力が弱いと、四つに組んだとき、相手に有利な組手やはず押しを許してしまうからだ。
つまり付け入るスキを与えているということだ。
「脇が甘い」の反対語は、「脇がかたい(堅い)」だ。
肘を脇腹に付けて相手の差し手やはずを防いでいる状態だ。
脇が締まっているということだ。
相手に付け入るスキを与えていないということになる。
「脇が甘い」は ビジネスではどんな時に言われるのだろうか?
他社に契約を奪われたときやテリトリーを荒らされたときなどに上司から言われることが多い。
最近はもっと広く使われている。
不用意な発言で、部下から非難を受ける場合にも、この言葉が使われる。
「脇が甘い」を考えるとき、とっておきの記述がある。
丸山ゆ利絵氏は『「一流の存在感」がある人の気づかいのルール』のなかで、
「ワキが甘い」とは、その地位や役割にあるべき「用心深さがない」、気をつけるべきなのに人につけこまれる「スキをつくっている」と定義し、
「人の上に立つ」過程では、相手との距離感に対する注意力も必要、一流の人は、いつもと変わらぬ丁寧な態度を崩すことはない。
と述べている。
この「用心深さがない」「スキをつくっている」までかみ砕くと、
「脇が甘い」の正体が見えてくる。
丸山氏が言う距離感、いつもと変わらぬ丁寧な態度という記述で、思い当たることはないだろうか?
たとえば、あなたのかつての上司が出世して役員となった。
その上司とエレベーターで一緒になったが、相変わらず、あなたにほほ笑みを向けてはくれてはいるが、どこか距離感を覚えたことはなかっただろうか。
これが出世した人の姿なのだ。
しかし、サラリーマン社会では、そんな距離感を覚えたとき、「冷たくなった」「人が変わった」と表現する。
そう、サラリーマン社会では、いつまでも自分と一緒になって考え、行動し、付き合ってくれる上司がいい上司なのだ。
上司もそんなことを知っているから、いつも部下と一緒になって考え、行動し、付き合うことに努める。
つまり部下から好かれる上司になりたいのだ。
しかし、部下から見た理想の上司は、多くの場合、出世で足踏みしてしまう。
部下と一緒にトラブルに巻き込まれたり、部下への不用意な言動が問題になることがあるからだ。
出世は能力だけでは決まらない。
成果を上げたからといって、決まるものでもない。
今の時代、一番見られているのは、部下との関係だ。
このことは考えてみればわかる。
出世するということは、より広範囲の組織を任せられることであり、より多くの部下を持つことを意味しているからだ。
だから、会社は部下と問題を起こした上司を出世させることはない。
能力があっても、成果を上げていても出世できない人の秘密はここにある。
私は、出世にはタイミングを「合わせる」「引き寄せる」「早める」「逃さない」ことが必要であることを、
『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』で書いたが、この「逃さない」は部下との関係だ。
それゆえ、
「部下の口から解決策を言わせる」
「率先垂範は部下と同じことをやるのではない」
「困った部下とは同じ土俵に立たない」
「部下指導は80%の力で当たると、ちょうどいい」
「部下から100%好かれたいと思わない」
と注意点を書いた。
部下と心を通じ、親しくなることは必要だ。
だが、上司と部下という一定の距離感を持つこともまた必要なのだ。
それが、「脇が堅い」状態だ。
「脇が堅い」ということは、隙がないということである。
よく、出世した人を指し、「隙がない人」と言うではないか。
部下との関係において、脇が甘くなっていないか検証し、脇を固めてもらいたい。
そうすれば、あなたは、がっちりと出世を勝ち取るはずである。
綾小路 亜也
これが脇を固めた状態だ
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