「勝った人は、強かったから勝ったわけではない」

2020.12.22更新

 

鈴鹿久美子さんが書いた『会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方』に、

「勝った人は、強くなってから戦って、強かったから勝ったのではない」「弱いまま挑み続けて、最後の最後に勝った」という気になる言葉があったので、紹介しておきたい。

 

この言葉は、長らく議員秘書として、選挙を見守ってきた著者の感想である。

 

どんな大物議員とて最初はチャレンジャーだったことは間違いなく、「強くなったら、やろう(立候補)」という人ではなかったのだろう。

 

このことは、ビジネスマンやビジネスウーマンにもそっくり当てはまる。

 

「強くなったら、やろう」と考えるのと、「弱くても、チャレンジする」と考えるかでは、出世や昇進で大きな差が出る。

 

「強くなったら、やろう」と考える人は、満を持して、出世や昇進の瞬間を迎える人である。
自分の能力が高まっていくのを、会社や上司は見てくれていて、「卒業だ!」と言われる瞬間を待つ。

 

それは行動要件の充足を基に昇進が決められている組織において、まさに正論と言える。

 

しかし、満を持したのに、自分の希望どおりにならないのが現実であり、そこが問題でもある。

 

気落ちした人は、さらに頑張り、また、その日を待つ。
それで報われればいいが、ここでも希望どおりにならないと、出世、昇進の時期を逃してしまう。
このことは、けっして能力の問題ではない。

 

この問題の核心は、出世や昇進を会社が決めると考え、自分が待っているところにある。

 

自分では果敢に出世や昇進に向かってチャレンジしていると考えていることが落とし穴なのだ。

 

だが、多くの人は、そのことに気がつかない。

 

たしかに、出世や昇進は会社が決める。
ただ、自らも出世や昇進のタイミングを引き寄せなければならないという、自分が主語になっている動作が必要なのだ。ここに出世のカラクリがある。

 

私は、そんな出世のカラクリを、悔しい思いをしているビジネスマンやビジネスウーマン向けにビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!を書いた。

 

 

紹介した本の「弱いまま挑み続ける」とは、どういうだろうか?

 

反対の言葉である「強くなってから戦う」を考えてみると、紐解ける。

 

「強くなってから」は、どういう状態が強い状態なのかを語っているわけではない。
それに、強くても負ける場合だってある。

 

要するに、強かろうが、弱かろうが、チャレンジしない限り勝ちも負けもないのだ。

 

選挙に関して言えば、どんな大物議員でも確固たる強さなど確信できず必死に戦っているのだと思う。
新人などは当選するかどうかなどはまったくわかららず死に物狂いで戦っているのだと思う。

 

そう考えると、ビジネスマンやビジネスウーマンは、日々の業務に全力を挙げて力をつけていくと同時に、いまの自分がチャレンジできるものには果敢に向かっていくことが重要と思える。

 

新しい業務が組織に加わったときは、いまの自分の力で名乗りをあげる、会社でプロジェクトが結成されたときも、いまの自分の力でかまわないから名乗りをあげる。

 

異動の時期が来たときには、「もう一年いまの職場で」と安住の地に浸るのではなく、新しい職種へのチャレンジを試みる。

 

自分に力がついてからと思うより、いまの自分の力でチャレンジしていく。
そのことが、出世のタイミングを引き寄せていくと考える。

 

 

紹介した本の目次

第1章 誰に、どう魅せたいのか

第2章 「体型と顔」は、こう魅せる

第3章 一流は毎日「同じ服」を着る

第4章 相手を瞬時に魅了する作法

第5章 人生は「選挙」である

 

 

会う人すべてがあなたのファンになる 一流の魅せ方

 

 

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◆新百合ヶ丘総合研究所の出世四部作

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2018年6月2日 | カテゴリー : 出世する人 | 投稿者 : ayanokouji