2024.07.27更新
「手なり」は麻雀用語で「牌効率のみでアガリに向かうこと」をいいます。そこからビジネスで「手なり」というときは、成り行きに任せるという意味になります。
目標や着地点を決めていないということです。
意図的に「手なりで」と言う時もあります。
そのときは「流れに任せ、様子を窺う」という意味になります。
そんな戦術もたしかにあるのです。
「手なり」という言葉を理解するのにわかりやすいのは営業かもしれません。
たとえば、いつものように営業に向かい、得意先を訪問し、締め切りを迎える。
これが「手なり」です。
「手なり営業」といってもよいかもしれません。
ビジネスでなかなかクロージングを図れない人は、こんな「手なり営業」をしていることが多いのです。
では、「手なり」の対極は、営業でいえばどんなことになるでしょう?
たとえば売上を立てるという目的をしっかり持ち、目標に挑んでいる状態です。
そんな気持ちで、一つひとつの事案のクロージングに向かうのです。
クロージングできるかどうかは、目標意識の差によって決まることが多いのです。
そうすると、目標意識をどう高めるかという問題になります。
そのために、会社や上司がいろいろ難しいことを言っても無駄かもしれません。
部下がストンと腑に落ちるものでなくてはなりません。
モチベーションという大きな概念を持ち出しても、部下はピンと来ません。
結論から言えば、営業部門で、営業担当者がしっかり目的意識を持つ有効な方法は、「営業とは何か」を理解、認識することです。
「営業とは何か」については、『サラリーマンの本質』で述べましたが、
「目標(予算)」と「見込み」の「差」を埋めるという意識をしっかり持って、その目標に向かって行動することです。
当たり前のように聞こえますが、私たちはその意味を理解しているようで理解していません。
もしこのことを本当に理解していたならば、「今月もキツイ」という言葉は絶対に吐きません。
営業を少しでも経験したことがある人ならわかると思いますが、キツイは当たり前なのです。
そのように目標や予算が与えられているからです。
およそ営業部門で、楽な目標や予算が与えられている部署などありません。
苦しい目標や予算があるから、企業は存続し、発展していくのです。
「営業とは何か」をしっかりと認識している人は、「キツイ」などとこぼさず、ひたすら「目標(予算)」と「見込み」の「差」を埋める具体的行動をとります。
そう、「営業とは何か」をしっかり認識している人は、必ず仕掛かり案件をクロージングまで持っていく段取りを自分自身で考えるのです。
「クロージング、クロージング」と、別個に切り離さない方がよいのです。
クロージング力を上げるには、「営業とは何か」をシッカリ認識することです。
営業については、いろいろなことが言われていますが、重要なことは一点です。
「営業とは何か」を認識することです。
この認識さえあれば、部下は知らず知らずのうちに、成長していきます。
クロージング力も知らず知らずのうちに身についていきます。
上司は、部下が「営業とは何か」を認識したならば、じっくり見守ってください。
余計な口出しはいりません。
そして上司自身も「営業とは何か」を深く認識することです。
「営業とは何か」を認識する方法は、『サラリーマンの本質』に詳述しましたので、上司の方は参考にしていただきたいと思います。
綾小路 亜也
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