2024.04.05更新
高杉 良の小説『辞令 (文春文庫)』にはサラリーマン社会の現実がある。
この本は1988年に書かれたこともあり、さすがに会話の内容などに時代を感じさせるが、
いま、高杉良氏の作品は改めて注目されている。
大手音響機器メーカーの宣伝部副部長である広岡修平(46歳)は、同期の中で出世レースのトップを走っていたが、突然、左遷の内示を受ける。
内示もきわめて遅れた。
広岡には「心当たり」がない。
この「心当たり」がないというところが、ポイントだ。
この辞令の背景には、広岡の会社の内部事情が存在した。
広岡の上司である宣伝部長はある画策をした。
広岡自身にも「あること」があった。
広岡には「心当たり」がなかったが、この辞令は必然的に生じたのだ。
このことは人事異動を考える際の教訓になる。
多くのサラリーマンは、辞令を受けるたびに、「なぜオレが?」「どうしてオレが?」と思う。
必然性を見出せないからだ。
このように思う辞令は、たいがい、よい異動ではない。
人事異動には必然性が働くと考えると、身構え方は変わってくる。
左遷の必然性を持たないようにすること、昇進の必然性をもつようにすることに気づくからだ。
それは、辞令を「心当たり」がないものにしないということである。
気をつけたいことは、自分自身がした「あること」に気づかないか、忘れることだ。
小説の主人公広岡も、「あること」を決断するときに迷い、上司に相談したが、その「あること」がくすぶり続けていたとはまさか思わなかった。
広岡に限らず、サラリーマンは「あること」が出世を左右することを、意外に自覚していない。
広岡の場合は、その「あること」はセンセーショナルなことだったが、サラリーマン社会では、発言、態度、人間関係によることが多い。
サラリーマン社会で出世や昇進をめざすならば、人に「あること」を思い出させないことが必要なのだ。
そのためには、「あること」を作り出さないことだ。
それは、いざというときに、反対票を入れられないように日頃から気をつかうということである。
綾小路 亜也
下記記事も参考にしてください
新しい出世術
本の目次スマホで読む方法
YouTubeでも紹介しています
◆新百合ヶ丘総合研究所の出世を現実につかむ本
こっそり読まれ続けています
ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!
出世するビジネスマナー
「出世しぐさ」のすすめ
※「出世しぐさ」は商標登録されました。
エリートの弱点を突く!
エリート社員に打ち勝つ! あなただけの出世術
◆新百合ヶ丘総合研究所のキャリアアップを実現する本のシリーズ
印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方
◆メルマガ「出世塾」の情報
(まずは発刊内容をご覧ください)
https://shinyuri-souken.com/?p=28756
◆キャリア理論の本紹介
https://shinyuri-souken.com/?page_id=41933
出世は「構え方」で決まります
◆新百合ヶ丘総合研究所の出世四部作