2020.12.28更新
1964年開催の東京オリンピックで日本は男子体操で金メダルラッシュに沸いた。
そのとき、まだ小学生だった私の耳に飛び込んだ言葉がある。
テレビの解説者が言った言葉は、日本が強いのは、「日本の規定問題の演技は既定の『解釈』が違う」という言葉だった。
(当時は、初日に規定演技があり、二日目に自由演技が行われた)
当時、私は、当然ながら、何を言っているのか、まったくわからなかった。
しかし、今となっては、その言葉が痛いほどよくわかるのだ。
(本より抜粋)
ビジネスマンがやっていることは、たいてい同じである。
それは考えてみれば当たり前である。会社の指示が同じだからだ。だから、みな同じような業務を行っている。
たとえば、営業部門にいる人は、同じように得意先を訪問し、同じように見込みを作り、同じように締切業務を迎えている。
やっていることは、体操の規定演技ではないけれど、みな同じなのである。
しかし、現実にはそこに歴然とした「差」が生じている。
その「差」を能力の「差」に求めることもできるが、私はサラリーマンを35年間もやってきた経験から、同じ会社にいる人たちに、そんな著しい能力の「差」などないと思っている。
そうすると、このビジネス社会での「差」は、どこから生じているのだろうか?
そんなとき、先ほどの「解釈の違い」という言葉が、俄然、頭をよぎるのである。
会社から、上司からの指示の解釈の違い、得意先からの要望の解釈の違い、そして、得意先、上司の気持ちに対する解釈の違い……。
こう考えると、なんだかしっくり来るのである。
私は、ビジネス社会で生じる「差」は、解釈の「差」だと考えている。
本書でとりあげたビジネスマナーも同じである。
ビジネスマナーの本に書いてあることは、先ほど述べた規定演技である。たしかに、規定演技の優劣により、「差」が生じることも事実である。
しかし、「解釈」の違いが、もっと、大きな「差」となって現れているのではないだろうか。
そして、その中でも、人の気持ちへの「解釈」の違いが、最も大きな「差」となって現れるのではないだろうか。
いままで見てきたように、「できる社員」は、人の気持ちの「解釈」が、他の人と違うのである。
人が口に出さないで心で思っていること、あるいは本音の部分に気づき、自分で「解釈」している。
そして、自分で「解釈」しているから、人とは、違う考えや行動をとるのである。
そして、人とは違う考えや行動をとるから、人に「差」をつけることができるのである。
だから、「できる社員」と呼ばれているのである。
その原点は気づきである。自分の頭で考えたゆえの気づきである。
と言うことは、自分の頭で考えることさえできれば、多くの人は「できる社員」になれるということである。
そんな思いを込めて、『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』を書いた。
ぜひ、みなさんの今後のビジネス活動の中で、参考にしていただければ幸いである。
綾小路 亜也
『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』
おわりに から
できる社員のビジネスマナー
本の目次スマホで読む方法
【目的、難易度別】ビジネスマナーが効率的に学べるおすすめ本9選に選ばれています。
◆企業で働く人のビジネスマナー(発行書籍)
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本の目次
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