2024.04.23更新
取引先との会話で前任者のことは共通した話題になる。
それゆえ、とかく「前任者の話ばかり」になりがちだが、前任者の話題には注意が必要だ。
それは、先方と先方の前任者、先方とこちら側の前任者との関係はわからないからだ。
もしかすると、みなさんの前任者と先方はゴルフ友達だったり、釣り仲間だったかもしれない。
そんな前任者について、
「私の前任の○○は、ちょっとだらしがないところがあって、いま、引き継いだ事案でたいへん苦労しているんです」などと言ったら、先方はよい気がしないだろう。
要は、先方と先方の前任者の関係、先方とこちら側の前任者との関係は、実のところよくわからないのだ。
だから、気をつけなければならない。
そうしたことを考えると、いくら共通の話題だとしても、情報が及ばない話はなるべく避けた方がいいということになる。
ビジネス社会には、互いの社員の話を武器にしているような人がいる。
主にベテラン社員に多い。
そういう人は、すぐに「✕✕さん、お元気ですか?」と先方の前任者の話題を切り出し、そのあとに自分とのエピソードを語り出す。
それは、たぶん「私は、あなたの会社の人のことはよく知っていますよ」という自負と相手へのアピールを狙っていると思うが、
そう話しかけられた人が、その話題の中心となっている人をどう思っているかはわからない。
仮によく思っていなかったとしても、そんなことは、社外の人には口に出さないということを忘れない方がいい。
「できる社員」を見ていると、あまり自分の前任者のことは言わないし、相手の前任者のことも言わない。
それよりも、今の関係を大事にしようとしている。
もしかすると、「できる社員」がけっして相手から嫌われることがないのは、ここら辺に原因があるかもしれない。
たしかに企業と企業の付き合いは、双方の社員同士の付き合いの歴史の上に成り立っていると言える。
そのことは十分に尊重しなければならないが、それよりは、今の付き合いの方が大事だ。
そして、今の関係を築くために接待をしていることを忘れてはならない。
綾小路 亜也
⑭ 「できる社員」は前任者の話題を避ける から抜粋
関連記事:社内でも、前任者のことを言わない方が無難
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