2024.11.08更新
上司に「何を言っても言い訳」と言われるのは、理由を説明しているからです。ところが言い訳となる事実への対応に重点を置いて話すと、理解します。
その結果、「致し方ない」と思わせることが、うまい「言い訳」なのです。
評価面接での「言い訳」のシーンを見てみましょう。
年度末を迎えました。
この1年は、あなたにとってよい年ではありませんでした。
担当する最大の得意先である✕✕商事の経営不振がありました。
✕✕商事の経営不振は売り上げに大きく影響したのです。
次に大きかったのが、△△商会が経営コンサルタントを入れたことです。
経営コンサルタントの指導により、経費が見直され、これも売り上げの減要因になりました。
そんななか、あなたが担当する販売代理店の不祥事がありました。
売掛金の回収等で相当な時間を取られ、今でもその後始末をしています。
そのうえ、長年のパートナーを務めた〇〇さんが結婚で退職し、入社2年目の□□さんがパートナーになりました。
□□さんの指導やミスの後処理等で、思ったように営業時間を取れなかったのです。
大きな要因だけでもこれだけあります。
そんなことで、結局、あなたは年初に立てた目標を達成できませんでした。
あなたは上司との面接のなかで、以上の理由を取りあげ、必死に「言い訳」するのです。
上司は、こんな「言い訳」をわかってくれるでしょうか?
じつは、上司は言い訳となる事実を知っています。
上司の関心は、「その事実に対して、どう対応したか」です。
つまり対応の仕方を知りたいのです。
そんなことを考えると、上手い「言い訳」は、言い訳となる事実にどう対応したかに重点が置かれた言い訳なのです。
すると、受け手は「やはり事実の影響が大きかった」と判断します。
その事実にどう対応したか?
「言い訳」はどんなに工夫を凝らしても、「言い訳」の域を脱しません。
聞く方からすれば、どんな「言い訳」も、やはり「言い訳」に聞こえてしまいます。
発想を変えて、「言い訳」の理由を強調するより、「言い訳」となる事実への対応に重点を置くのです。
すると、人は「言い訳」となる事実の重みを知ります。
事実を正しく認識するということです。
「言い訳がうまい」とは、逃げ方がうまいのではなく、事実を認識させることがうまいのです。
綾小路 亜也
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