「自分が育てた部下はかわいい」の本質は、自分の経験が部下の体に入っていく喜びだ。それにより、部下が成長していくことが、嬉しいのだ。
それが「育てた感」であり、部下から見れば「育てられた感」だ。
では、上司は部下に何を教えたいと思っているのだろうか?
それは、「仕事の型」である。
攻めの型・守りの型・ピンチに陥った時の型・不振に陥った時の型だ。
その時、自分がどう対処したかを教えたいのだ。
つまり自分の経験を伝えたいということである。
しかも、相手の年代や経験に基づく伝え方をしている。
若手社員には、自分の若手社員時代の経験を、中堅社員には、自分がその時に学んだこと、管理職には、自分がその時に苦労したことを伝えている。
現実的なのだ。
そこには、自分が苦労したこと、失敗したことをクリアーして成長してもらいたいという願いがある。
だから、「育てた感」が湧くのだ。
『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』では、上司の同行を取りあげた。
部下は上司の同行を嫌うが、上司は同行したがる。
上司には、自分の経験を部下のために活かしたいという思いがあるのだ。
上司は仕事の型を教えたい
ところが、今の日本では、この「育てた感」「育てられた感」はシュリンクしている。
上司といえば、リーダーとしての在り方、マネジメントの在り方にもっぱら焦点が当てられるからである。
そのこと自体はもちろん誤りではないが、上司が必死につかみ取った経験が、部下にしっかりと伝えられているかという観点も考える必要がある。
上司は自分の経験を語ることに遠慮し、部下も上司の経験に関心が薄くなっているのではないだろうか。
今、日本の経済は弱くなっていると言われているが、もしかして、上司の経験が組織に活かされていないことが、その背景にあるのかもしれない。
たしかに、今の時代、「育てた感」「育てられた感」は古い感覚かもしれない。
しかし、「育てた感」「育てられた感」が現存している社会もある。
相撲などのスポーツや芸の世界だ。
映画『国宝』が脚光を浴びたのは、芸を極めるとはどういうことかを物語っているからである。
それは師匠と弟子の真剣勝負の場だ。
師匠は、自分がつかみ取ったものを全部吐き出すからである。
「育てる」とは、どういうことか、わかる瞬間である。
そして、やがて弟子は師匠を超えていく。
そんな世界が存在することを観客は知りたがっていたのだ。
最後に、上司との関係を発展させるものは何かをお話しておきたい。
『エリート社員に打ち勝つ! あなただけの出世術』では、それを共通体験としている。
綾小路 亜也
上司には経験がある
出世は「構え方」で決まります
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