2024.07.14更新
なぜ「結果 ー 原因の順」で報告した方がよいかといえば、「原因 ー 結果」で話すと、言い訳に聞こえるからだ。
「結論から」と言うが……
「原因 ー 結果」の順で話すと、こんな報告になってしまう。
「昨日、✕✕商会さんを訪問し、経理課の富田課長にお会いしました。富田課長に『あの件、いかがですか?』と聞いたのですが、富田課長はすでに田島部長に稟議を回したそうです。ところが、田島部長は昨日から静岡に出張しているので、決裁をもらえなかったそうです。 そのため、この契約は今月間に合いませんでした」
こんな報告をすると、上司からイライラされ、「早く結論を言え」と言われる。
もう一つ「結果 ー 原因」の順で報告しなければならない理由がある。
先ほどの例を「結果 ー 原因」の順で言えば、
「✕✕商会さんの契約は今月入りません。責任者である田島部長が出張で決済が取れなかったためです」
ということになる。
つまり、結果が思わしくなかったのだ。
他にも結果が思わしくない報告例を挙げると、
「△△電気の今川課長には会えていません。今川課長は今週一週間お休みとのことでした」
「部長からご指示いただいた件はまだできていません。私も出張が重なり忙しかったためです」
「〇〇への予約はまだ取れていません。昨日電話を掛かけたのですが、ずっと話し中でした」
のようなケースが浮かぶ。
この4つの例を、
「原因 ー 結果」の順で話してしまうと「言い訳」に聞こえるのだ。
報告を受ける側は、いっそうイライラする。
だから、思わしくない報告をするときには、「言い訳がましく」聞こえない結果から入る必要がある。
「原因 ー 結果」の順で話すと「言い訳」に聞こえる
しかし、思わしくない報告は、なかなか「結果 ー 原因」の順で話すことは難しい。
それは、よい報告をするときのことを考えるとわかる。
よい報告のときは、自然に「契約取れました!」「会えました!」「大丈夫です!」「予約取れました!」と結果から入っている。
報告の順序は、人の気持ちの表れ方で決まる。
だから、思わしくない報告のときは、「原因」から入ってしまうのが当たり前であり、結果から入りにくいのだ。
もう一つ「原因」から入ってしまう理由がある。
私たちは、学生時代から「原因は何か?」と言われ続け、社会人になってからは、いっそう「原因、原因」と言われる。
頭に原因を探す回路が埋め込められてしまっているのだ。
だから、思わしくない報告のときは、まず、原因を探す動きを取る。
最後に、言葉の使い方について述べておく。
世の中、「結論から話せ。結論をまず言え」と言うけれども、
「結論から言えば……」が堂々と通るのは、報告文書、そして人から意見を求められたときだ。
上司に、いきなり、「結論から申し上げます。✕✕商会さんの契約、今月入りません」と報告したら、
多くの上司は「なんなんだ。こいつは」と思う。
「契約も取れなかったのに、なんだその言い方は。それでは開き直りじゃないか」と思う人も多いだろう。
そこで先ほどの4つの例をもう一度見ていただきたい。
じつは、4つの例は「結論」と言うよりは「結果」なのだ。
口頭説明の時、「結論」ではなく、「結果報告」と言った方が受けいられやすい。
報告もしやすいはずだ。
「結論」と「結果」の峻別を行うと、報告しやすくかつ受けいられやすくなるので、ぜひ試してもらいたい。
参考までに、「結果」、あるいはその他の言葉を用いた報告例を挙げておく。
先ほどのケースだ。
「ちょっと、✕✕商会さんの今月の工作結果についてご報告したいのですが……」
「ちょっと、△△電気の今川課長への本日の訪問結果をご報告したいのですが……」
「部長にご指示いただいた件の現在の状況についてですが……」
「ご指示いただいた予約の件ですが……」
と、結果報告に入る前に、このような言葉を添えて、報告をスムーズにするのだ。
報告は入り口が大事だ。
ここで拒否反応を受けると、先に進まない。
綾小路 亜也
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