「念押しする人」は評価され、「念押しされる人」は信頼されない

2024.03.04更新

 

上司は「念押しする人」には安心して仕事を任せられるが、上司から「念押しされる人」は信頼していない。

なぜ上司は「念押しする人」を評価するのだろう?

 

 

それは、上司は過去に痛い目に遭っているからだ。

 

上司の不安の中身を、実際のビジネスシーンから見ていこう。

 

時刻は5時を回った。

あなたは、これから上司と得意先の接待に行く。

書類を片づけ、パソコンの電源を切り、出発に備える。

 

すると、上司からこんなことを言われる。

「今日、6時半だったよな。日本橋の〇〇だよな」

あなたは「ええ、そうですけど……」と答える。

 

すると、今度は「個室だよな?」とつぶやくような言葉が出る。

あなたは「ええ、そう予約していますが……」と答える。

 

しばらく間を置き、上司は自分に確認するようにこんな言葉を口にする。

「先方は、販売部長の田崎さんだよな。販売一課の半田課長も一緒だよな」………。

 

あなたは、心の中で「もういい加減にしてくれよ。しつこいな」と思う。

 

あなたの上司は何を言いたいのだろうか?

あなたに何を期待しているのだろうか。

 

次のような報告を期待しているのだ。

 

「さきほど、日本橋の〇〇に確認しておきました。2Fの個室だそうです。それと、朝、〇×商事の半田課長に電話しておきました。田崎部長もたいへん楽しみにしているそうです」

 

そう、あなたの「念押し確認」を期待していたのである。

 

この報告には、あなたの上司が心配していることへの対応が織り込まれている。

・接待場所の予約がちゃんと入っているか

・個室か

・先方の出席も予定どおりか

 

あなたがそのように答えると、きっと上司はこう言うはずだ。

「そうか、〇〇君。ちょっと早いけどそろそろ行こうか」と。

 

 

 

あなたの上司がなぜこんなことを心配しているかといえば、

あなたよりサラリーマン経験が長いからである。

 

長い経験の中で、接待でも会合でも、ちゃんと予約が取れていなかったことを経験したか、身の回りで起きたことを覚えている。

 

また、相手が急に都合が悪くなってしまったケースも経験したに違いない。

 

あなたは実感が湧かないかもしれないが、そんなケースは実際にビジネスの現場では山ほどある。

 

 

そして、あなたにもっとショックなことを言うと、このくらいの確認と報告はビジネスの世界では常識なのだ。

 

次のような確認報告をする人もザラにいる。

 

「料理は8,500円のコースを頼んでおきました。酒代は別です。

手土産は、先方の田崎部長が甘党なので、ちょっと変わったものを用意しておきました。

上野〇〇堂の和菓子です。

値段は3,000円くらいですが、けっこう見た目はいいです。私も食べたことがありますが、おいしく、下町情緒もあります。

田崎部長は高円寺にお住まいです。半田課長は浦安です。念のために、部長の分も含めタクシーチケットを3枚用意しておきました」

 

 

もっとすごい人もいる。

接待場所を下見する人だ。

実際、ビジネスの現場では、接待前に接待場所を下見する人は多い。

そんな人はこう確認報告する。

「〇〇は落ち着いた店です。2Fの個室も一番奥まったところにあり、話し声は聞こえません」

 

 

この問題を共に考えてみよう。

一つは、上司にせよ、顧客にせよ、「相手を不安にさせないことがビジネスの世界の大原則である」ということだ。

 

人というものは、頼んだ瞬間から、自分の依頼がちゃんと行われているか不安なのだ。

ここで取り上げたケースも、あなたの上司は不安なのだ。

その不安を払拭させる方法が「念押し」だ。

 

二つ目は、やはり、「ビジネスの世界では確認が重要である」ということだ。

ビジネスの現場で起きるミスのほとんどは、確認不足から生じている。

 

三つ目は、今回のケースとして接待をあげたが、それは、まさに業務にもあてはまるということだ。

こんな接待の予約や、相手の情報の確認をしっかりとれる人は、やはり業務もしっかり行える人だ。

会社や上司は、こんなところから人を評価するのだ。

「こいつに頼めば安心して任せておける」「間違いない」と思う。

 

 

そう、「念押しする人」は、

会社や上司からすれば、「安心して任せておける」人であり、評価されることは間違いない。

 

一方、上司から「念押しされた」ということは、上司は不安なのだ。

それは安心して任せられないということである。

 

サラリーマン社会では、こんなところで大きく評価が分かれることに注意してもらいたい。

 

綾小路 亜也

 

 

ポイント

①相手を不安にさせないことがビジネスの大原則である。

 

②ビジネスの世界では確認が重要だ。

ミスは確認不足から生じる。

 

③念押し確認をする人は、上司からすれば「安心して任せられる」人であり、評価される。

 

④一方、上司から「念押しされる人」は、安心して任せられない人である。

 

 

 

 

 

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