2023.12.04更新
突然、意見を求められて、頭の中が真っ白になってしまう人は多い。
そんな人におすすめの本がある。
伊藤羊一氏が書いた『1分で話せ』だ。
タイトルを見ると、ものすごい要約力を求めているように思えるが、そうではない。
「1分で話す」原理はシンプルだ。
それは、「結論ー根拠ーたとえば」というピラミッドストラクチャーを意識することである。
そういうと、「なーんだ」ということになるが、このピラミッドストラクチャーがあれば十分に戦える。
本に記載があった牛丼吉野家の例を取りあげたい。
牛丼吉野家のキャッチコピーは、承知のとおり、「早い」「安い」「うまい」だ。
「吉野家が好き」ということを人に伝えるとき、その根拠を伝えないと、「吉野家が好き」という結論にならない。
その例が、「早い」「安い」「うまい」ということになる。
この「早い」「安い」「うまい」を、相手にイメージさせると、もっと伝わるはずだ。
たとえば、
「早い」 ー 「座ったかどうかのタイミングで、店員さんが牛丼を出してくれますね」
「安い」 ー 「今時どこで食べても大抵500円はかかります」(それなのに……)
「うまい」 ー 「想像してみてください。おなかがすいた時に牛丼をかきこんだことを」
「吉野家が好き」をどう説明するか?
いま述べたことを、整理すると、
「吉野家が好き」は主張であり、結論だ。
「早い」「安い」「うまい」はその根拠である。
たとえばの内容である「座ったかどうかのタイミングで、店員さんが牛丼を出してくれますね」「今時どこで食べても大抵500円はかかります」「想像してみてください。おなかがすいた時に牛丼をかきこんだことを」は根拠を示す事実なのだ。
このように結論 ー 根拠 ー 事実がピラミッドのような階層になっているのが、相手に伝わる(相手を動かす)話し方だ。
「1分で話す」要領なのだ。
たしかに、このように話せば、1分で要点を話せそうだ。
著者は次のような貴重なアドバイスを送っている。
一つ目は、根拠の数だ。
著者は、目安は3つと言う。
根拠が1つしかないと心許ない気がし、その根拠を論破されたり、反対されたりすると、終わってしまうからだ。
その点、吉野家の「早い」「安い」「うまい」は絶妙といえる。
根拠の一つひとつがコンパクトにまとまっており、3つ合わさることでリズムのようなものも感じる。
二つ目は、人にどうイメージしてもらうということだ。
その手段の一つが、「ビジュアルを見せる」だ。
もう一つは、言葉でイメージを沸かす方法だ。 ー それが、「たとえば」なのだ。
三つ目は、根拠と結論が「~だから、~だ」になっているかということだ。
この本に掲載されている例を紹介したい。
A 「私はこの会社が好きです。業績がいいから」
B 「私はこの会社が好きです。給料がいいから」
ここで注意しなければならないことは、結論と根拠は意味がつながっているかということだ。
A、Bともに、この会社が好きな理由を述べているが、よく考えると、Aの説明は結論に対し意味がつながっていない。
「業績がいいと、どうして会社が好きなのか」、相手はわからないからだ。
私たちは、Aのような説明をしていることが多い。
このピラミッドストラクチャーがスグレものなのは、この観点で、相手の主張をとらえられる点だ。
相手が根拠としているもの、相手が事実としてとらえているものがわかるからだ。
議論の進捗、打開などに有効なことは間違いない。
話し方で苦労している人におすすめの本だ。
『1分で話せ』
目次
序章 そもそも「伝える」ために考えておくべきこと
第1章 「伝える」ための基本事項
第2章 1分で伝える
第3章 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう
第4章 1分でその気になってもらう
第5章 1分で動いてもらう
第6章 「伝え方」のパターンを知っておこう
第7章 実践編
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