『仕事ができる人 できない人』

仕事ができる人 できない人: 「答え」は15分で出る! (知的生きかた文庫)

堀場 雅夫

三笠書房 2012-04-24

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堀場製作所創業者である堀場雅夫氏の本である。
ご紹介する本は文庫本だが、文庫本、そして元本とも、残念ながら中古本しか出回っていない。
本の内容は、みなさんが今まで学習してきた「仕事ができる人」とは、まったく異なっているかもしれない。
しかし、この本は私が今まで読んだ本の中で、最も核心を突いていると思うので、みなさんには、できれば中古本を手に入れて、参考にしていただきたいと思うのである。

 

この本は、どの会社にもいるようなビジネスマンの90タイプを取り上げ、「仕事ができる人」「仕事ができない人」を判定、コメントしている。
著者は、一刀両断でこの問題に太刀を振り下ろしているのである。

 

さて、この90タイプの中から、何個かを抽出し、みなさんに質問してみたい。
以下の人たちは、「仕事ができる人」だろうか?

 

「小さなミスにもすぐビクビクする人」

 

「『上司の評価』をいつも気にする人」

 

「いつも人の視線を気にしている人」

 

「スタンドプレーをする人」

 

「部署の成功を、自分の力だと思いこむ人」

 

「主力部門にいないと満足しない人」

 

「上司の態度に気分が左右される人」

 

 

さあ、どうだろう?
みなさんは、当然×だと思い、今その理由を自分の中でもう一度確認しているのではないだろうか?
しかし、この本では、上記紹介例すべてが、「仕事ができる人」だと言っているのである!

 

ちょっと、著者のコメントを抜粋してみる。

 

「小さなミスはすべて、それが大きな失敗に直結しているものなのである。だから、小さなミスにもすぐビクビクする人は、必ずいい仕事をする」

 

「上司が自分に何を期待しているのかと、つねに上司の心を読もうとする人は、『仕事ができる人』と評価される条件を備えていると言ってよい」

 

「他人の視線と評価はおおいに気にすべきである」

 

「なにかあると”牽引車”となるような社員は、大なり小なりスタンドプレーができるわけだから、大きく伸びる可能性を秘めているということになる」

 

「わがままな社員は必ず出世する」

 

「『すべてオレの功績だ』-。
ここまで言いきる人は、まずいないだろうが、これくらいの度胸は欲しいものだ。同僚からは反感を買うだろうが、こういったタイプは伸びる」

 

「部下たるもの、上司の顔色をうかがわずして、どうして出世できようか。
冗談ではなく、上司の機嫌の良し悪しを見はからって、提言するなり許可を取りつけるなりすべきだ」

 

どうだろうか? 私も含めてみなさんは、これらの人は、「他人の目を気にする」「小さなことに心を奪われる」「協調性がない」などと、そうあってはならないと教えこまれてきたのではないだろうか?
この紹介例の前後および本全体の流れをよく読まないと、著者の真意は読み取れないと思うが、しかし、結論は上記なのである。
しかも、著者はそんじょそこらの成功者とは違うのである。世界的に有名な分析機器メーカーの堀場製作所を作りあげ、長い間経営トップだった人なのである。
セールスの世界でちょっと成功したとか、たまたまビジネスで当たった人が、成功法則や「仕事ができる人」を論ずるのとはわけが違うのである。
そこには、著者が積み上げた時間、実績の重さというものがずしりと横たわっているのである。

 

この本を読んで、私は深く考えさせられた。
もしかすると、私たちは、知らず知らずのうちに、「こうあるべきだ」と、「仕事ができる人」や成功者の条件というものを、頭に刷りこまれているのかもしれない。
さらに言うならば、それは作られた「仕事ができる人」や成功者なのかもしれないと思ったのである。

 

私は、「仕事ができる人」や「成功法則」は、一律に論じることはできないと考えている。
また、人から教えこまれた「仕事ができる人」や 「成功法則」は、自分の血となり肉となることは難しいと考えている。
つまり、大変かもしれないが、自分の頭で考え、自分が納得できる「仕事ができる人」や成功への条件を、探すことが必要ではないかと思っている。

 

そう考えると、この本の「はじめに」に書かれた次の箇所が、ヒントにも思えるのである。
「……そのときの状況に応じて、自分の一番いい部分を出すという柔軟性こそ、『仕事ができる人』の絶対条件となってくるはずである。そこに、共通項などあろうはずがないのだ」………

 

みなさんは、どう考えるだろうか?

 

 

 

 

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