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「こちら秘書室」公認 接待の手土産 2016 (日経ムック)
ぐるなび「こちら秘書室」編集室 日本経済新聞出版社 2016-05-13 |
この本の冒頭にこう書いてある。
「……名刺や提案書だけではなかなか入り込めない感情の領域へも、真心を感じさせる手土産を通せば、すっと入り込めるものです」
しかし、そんなビジネスにおいて重要な役割をはたす手土産だが、ビジネスマナーの本にはほとんど書かれていない。
そんなこともあり、接待の手土産の選定は暗黙知となっている。
だから多くの人が悩み、接待の手土産の選定に時間をかけている。
そんな中、現役秘書のみなさんが、選んでいるものを知ることは、たいへん意味がある。
さて、この本のタイトルには、「こちら秘書室公認」と書かれている。
まず、ここからお話しする必要がある。
『「こちら秘書室公認 接待の手土産」は、ぐるなびが運営する秘書業務サポートサイト「こちら秘書部」に登録する約3,300人の秘書会員の「上司が安心して使える手土産の情報が欲しい」という声に応えてスタートしている。
そして、本書は「接待の手土産 2016」として年間7回の品評会を通じて選ばれた114品を掲載している。
実際、現役秘書が一堂に会した品評会の写真が掲載されている。
この本で、参考となることは、
手土産のパッケージ-包装-紙袋を、写真入りで紹介していることである。
手土産は、見た目も大事だからである。
また、「秘書座談会」で、ある秘書の方は「私のボスは、大きさに非常にこだわります」と述べられているが、その方のボスもなかなかの人だと思うが、たしかに、大きさも大事である。
また、感心したのは、秘書のみなさんは、クッキー、焼き菓子の詰め合わせを選定した際に、個包装も重視している点である。
そして、この本に掲載してある手土産を一つひとつ確認すると、そこには「上司が安心して使える」という、秘書のみなさんの気持ちを十分に感じ取れる。
みなさんも、この本に掲載されている手土産を見ると、「気をつかった贈り物」と率直に思うはずである。
私も、手土産を選ぶときは、「安心して渡すことができる」ということが大きなポイントだと思っている。
受け取る側の視点から、この本に掲載されている手土産でいいなと思うものを、いくつか挙げておきたい。
東京會舘「プティガトー30」 レストラン タテルヨシノ銀座「焼き菓子の詰め合わせ」 廣尾 瓢月堂「六瓢息災」
勝栄「烏骨鶏かすてら」 大阪ハニー「極上ハニーカステラ」 うを徳「まぐろの角煮」 赤坂 浅田「江戸三度」
京・お漬物処 やました「京漬物詰め合わせセット」……私の一番のおすすめです。
ドゥブルベ・ボレロ「クッキー缶アソート」 ジャンボン・メゾン「Jambon.maisonギフトセット」
赤坂とゝや魚新「じゃこ山椒」
なお、私見ではあるが、ジュース類、お酒類は避けた方が無難である。
ただし、相手がお酒が好きで、手に入りにくい焼酎などの場合はもちろんOKである。
さて、手土産は奥が深い。
それは、この本は「上司が安心して使える」という渡す側の視点から手土産を選んでいるが、受け取る側の視点はまた違うからである。
よく、渡す側が凝りに凝って選んだ手土産を、受け取る側は「あっけなく」思い、自宅で奥さんと顔を見合わせることがあるからだ。
その意味で、この本に掲載されている手土産は、凝り過ぎたものも多い。
それは、渡す側の満足感から来ている。
そして、受け取る側の視点から「もらってうれしい手土産」を選ぶと、おそらく、この本に掲載されている手土産とまったく違ったものが出てくるように思えてならない。
なお、余計な話かもしれないが、私は、人に手土産を渡すときは、できれば、「自分との関わり合い」を持った方がいいと思っている。
たとえば、自分が口にしておいしかった、通りすがりに見たが気になって仕方がなかった、出身地の名物、娘にすすめられた、菓子の名前が相手のプロフィールに合っていた など。
そして、いくら有能な秘書が用意してくれたとしても、中身もよくわからないで、また確認もせずに相手に渡すことは、そこには相手への気持ちが入っていないことになる。
私は、これも広い意味で、ビジネスマナー的にはいかがかと思っている。
そして、いくら会社のトップといえども、自分が相手に渡すものは、自分の考えを秘書に伝えたり、秘書が考えていることを確認するのが上の人だと思うが、いかがだろうか?
私は、この本はもちろん参考になるが、できれば、手土産は、最初のうちはみなさんで選んで、選ぶ目を養ってもらいたいと思う。
選び方、価格などは、拙著『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか 』に記載しているので、興味のある方は、参考にしていただきたい。
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