著者は「言葉にできないということは『言葉にできるほどには、考えられていない』ということと同じである」と言う。
著者の言葉を聞いて、ハッとする人は多いと思う。
また、私たちは、人の話や人が書いた文章を「思考の幅も狭く、深みもない」と思うときもある。
ところが、最近、「言葉にできない」を表現術でカバーしようという嫌いがある。
しかし、いくら表現術を磨いたとしても、大元の考えがたいしたことがないわけだから、そんな言葉が人の心に響くわけがない。
考えてみれば当たり前のことなのだが、それでも私たちは表現術を磨こうとする。
それでは、どうしたらいいのだろうか?
著者は、「内なる言葉」に幅や奥行きを持たせることによって、言葉は重みを持つという。
「内なる言葉」は、「無意識のうちに頭に浮かぶ感情や、自分自身と会話をすることで考えを深めるために用いている言葉」である。
つまり、私たちがいつも頭に浮かべている言葉である。
だが、私たちが経験しているように、この「内なる言葉」は頭に浮かんだだけの言葉であり、整理できていない言葉とも言える。
だから、言葉にうまくできないし、整理して言うこともできないし、言葉自体も浅くなる。
著者は7つのステップを踏めばいいと言う。
①頭にあることを書き出す(アウトプット)
②「T字型思考法」で考えを進める(連想と深化)
③同じ仲間を分類する(グルーピング)
④足りない箇所に気付き、埋める(視点の拡張)
⑤時間を置いて、きちんと寝かせる(客観性の確保)
⑥真逆を考える(逆転の発想)
⑦違う人の視点から考える(複眼思考)
「T字型思考法」は「内なる言葉」を、「それで?」と考えを進ませたり、「本当に?」と考えを戻したりして、思考を拡張し、「なぜ?」と問うことにより思考を深化させる思考法である。
思考を横に拡張し、思考を立てに深化させることから、著者は「T字型発想法」と呼んでいる。
この7つのステップを見るだけで、なにか思考の幅が広く、深くなってきそうである。
だが、このように「内なる言葉」を拡張、深化させ、検証しないから、言葉にできず、言葉にしたところでたいした言葉にならない。
この本では、その他、プロが行う「言葉にするプロセス」としての戦略を紹介している。
戦略1は「日本語の『型』を知ることであり、戦略2は「言葉を生み出す『心構え』を持つ」ことである。
非常に参考になる。
絶対に読んでおいた方がいいたいへんな名著である。
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