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コンサル一年目が学ぶこと
大石哲之 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014-07-30 |
外資系コンサルタントアクセンチュア出身の大石氏が書いた本である。
各界で活躍する元コンサルタントへの取材を通して15年前の新人時代のことを思い出してもらい、新人時代に学んだことの中で、15年たっても記憶に残っていること、役立っていることを集約したのが、本の中身である。
15年経っても役立っているということは、普遍的なスキルだということになる。
そして普遍的なスキルだから、どの業種、どの年代の人にもあてはまるということになる。
読後感から言うと、非常に読みやすいく、わかりやすい、いい本だと思う。
言っていることは、ほとんど「なるほど」と思う内容が記載されている。
幅広い人に役立つ内容だと思う。
その中でも、私が、「これは、まさにその通り!」と思った内容を紹介したい。
「多国籍のチームで働くときは、違うこと、合わせられないことはそのままにしておき、理解できる共通の言語である、論理と数字で話す」(P43)
そして、
「社員全員が同じバックグランドを持っているという前提は、一般のドメスティックな職場でも、もはや通用しない。全員が納得のいくローコンテクストなルールや基準だけを掲げて、論理と数字でコミュニケーションをする」(P45)
という箇所である。
これは、多くの企業は逆をやっているのではないだろうか。
すなわち、「理解しよう、理解しよう」、極力、「合わせよう、合わせよう」としているのではないだろうか。
確かに人それぞれは、固有のバックグランドを持っていることから、完全に合わせることなどできない。
この「ローコンテクストなルールや基準だけを決める」ということは、非常に重要な言葉と意味合いだと思った。
その次に、「考え方を考える」という考え方 という見出しがあった。(P84)
そして、次のことが書かれてあった。
「最終の成果物を見せて相手に納得してもらう前に、手順の段階でも合意をもらうということです」(P87)
これは、ビジネスの現場では非常に重要なことである。
よくある失敗として、最終成果物ができて、人に見せたところ、「そんなの違う」と言われることがある。今までの労力がパーになる瞬間である。
手順の合意は本当に必要なのである。
次に、「間違っても、他人と同じ分野で、弱点を埋めようと思ってはいけません」(P277)
続いて、「プロフェッショナルのチームワークとは、全員、違う分野で価値を発揮すること」 とある。
まさにその通りである。
さて、非常にわかりやすく、いい本だと思うが、気になった点が何個所かあった。
1つは、あまりにも、コンサルタント、コンサルタントの世界と言いすぎている。
元々、本の内容自体が、コンサルタントのプレゼン手法のうち、普遍的なものを抽出しているので、それを強調しすぎると、逆に普遍的ではないように思われてしまう。
その挙句に、「ああ、やはり、コンサルタントの手法なんだな」と、読者は理解してしまう。
もう1つは、この本で書かれていることは、読者もよく知っている内容のことが多い。
それだから、普遍的と言えるのかもしれないが、「相手の期待を超え続けることがビジネスの基本。………」と力の入った部分があるが、今や、どの企業でも、このくらいのことは言っている。企業によりその表現は異なるが、「卓越した解を提供する」等のように言っている企業も多いので参考にしていただきたい。
「あれ?」と思った箇所は、「会議は、結論から逆算して運営する」(P18)という箇所。
言っていることは、わかる。
しかし、それでは、本が述べているように、「得たい結論」が決まっている場合はそれでいいと思うが、色々な意見を出し合った結果、思わぬ意見が飛び出し、全員が「はっ」とするような展開の会議にはならないのではないか。
おそらく、会議にはさまざま種類と形態の会議があり、決して、結論を段取りよく、効率よく出す会議だけではないと思うが、間違っているだろうか?
そして、こんなことろから、『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門 』のような新しい考え方が、出てくるんだなと思った次第である。
おそらく、浅学の私は、随分と的外れなことを言っていると思うが、いかがだろうか?
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