頭の回転数を上げる45の方法
久保 憂希也 芝本 秀徳 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-02-16 |
ちょっと、掘り出し物の本を見つけたので、紹介しておきたい。
私たちは、よく「習慣化が大事」という言葉を聞き、うなずくが、なぜ習慣化が必要なのかは、実のところ腹に落ちていない。
この本を読むと、私たちが当然に受け容れているものの理由がわかってくる。
だが、この本を読むには、ちょっと辛抱が必要だ。
それは、この本の13項までは、よく言われていることが記載されており、「今さら……」と思ってしまうからである。
ところが、14項から、よく言われていることの理由が、だんだんわかってくる。
この習慣化についての記述を、この本から拾ってみたい。
それは、「やり始める」ことと関係がある。
この「とにかくやり始める」ことは、いま、本やブログで盛んに書かれている。
しかし、「やろう、やろう」と思っても、なかなか始められない。
それは、なぜか?
この本は、「やり始めることで『やる気』が出る」のであって、やり始める前にやる気がないのは当然と言っている。
そして、とやかく考えないで、やり始めるためには条件づけをうまく利用することだとしている。
それが、習慣化なのである。
つまり、場所や時間と紐づけしてしまうことである。
この説明を聞いて、ストンと腹に落ちないだろうか?
もう一つ、私たちは、「限りなく具体的に表現しろ」と言われる一方で、外資系コンサルなどは「抽象化しろ」とも言う。
こうなると、なにがなにやら、さっぱりわからなくなってしまう。
しかし、こうは考えられないだろうか?
「具体的な事象をいくら蓄積しても、同じシチュエーションが起こらなければ適用することはできない」
だから、「具体的な事象をメタ化することによって、あらゆる場面で使える知識とする」
この記述も、ストンと腹に落ちないだろうか?
メタ化は、「超~」「高次の~」という意味だが、この言葉だけ聞いてもピンと来る人は少ない。
しかし、いまの説明で、メタ化をなんとなくイメージできたのではないだろうか。
表現は難しいが、視線を一段高いところに置き、客観的に見ると解釈してもらえばいいと思う。
そう考えると、コンサルなどが言う「抽象化しろ」の意味もわかってくる。
その他、みなさんの腹にストンと落ちる箇所を示しておく。
「問題を解決する」-「問題解決」とよくいわれているが、問題を問題のまま解決することはできない。問題は課題に落とし込んではじめて、問題を解決することができる。
「『起こるとしたら何が起こるか』を考える」-問題が発生した際にすばやく動ける人は、「起こるとしたら、なにが起こるか」を考える。
「クリティカルなものだけに気をつける」-仕事ができる人は、いくつかミスをしても、クリティカルなポイントだけはミスしないからこそ優秀なのだ。
「前提条件を疑う」-(答えを選択しなければならないとき)そもそもA案とB案の二択というのは正しいのだろうか。頭の回転の速い人は、前提条件を常に疑っている。
私たちは、頭を使っているようで、実はあまり使っていない。
頭を使うということは、どういうことなのかをこの本は示している。
また、私たちは腹落ちしないことは、結局、実行しない。
この本を読んで、腹落ちし、実行できることは多いと思う。
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