2024.10.08更新
書類を「渡した」「渡してない」の水掛け論には、かつては、どちらかが折れたり、渡し直すといった幕引きがありました。今はそうはいきません。
水掛け論の歴史は古い
論点となった書類に個人情報が含まれているからです。
そもそも、なぜ水掛け論は絶えないのでしょう?
書類受け渡し確認簿や確認票があるのに不思議です。
それは、よく確認もせずに相手が渡した書類に確認印を押したり、サインしているからです。
情報漏えいの形態に「管理ミス」があります。
個人情報の受け渡し確認が不十分で、受け取ったはずの個人情報を紛失してしまったケースも「管理ミス」にあたります。
ここで「受け取ったはず」といっていることに注目してください。
つまりこのケースでは確認が不十分だったから、本当に受け取ったかどうか、わからないということなのです。
確認が不十分だと本当に受け取ったかどうかわからない
こうしたケースは実際に多くあります。
もしかしたら渡す方の手元にあり、渡したものと思い込んでいることも十分に考えられます。
そんな場合でも書類がなければ、取引先から会社までの経路、会社内の隅々まで捜さなければならなくなります。
その結果、預かったと思われる書類が出てこなければ(出てくるはずもありませんが)、
こんなケースでも取引先からペナルティを受けることがあります。
ものすごくバカげた話です。
もっと悲惨なのは、受け渡し確認をしなかったケースです。
こうなると、紛失したものが何か特定できなくなり、何を捜さなければならないのか、わからくなってしまいます。
今の時代、受け渡し確認は、自分と組織を守るために、絶対に行わなければならないのです。
書類を確認しないケースすらある
では、どのように受け渡し確認を行えばよいのでしょう?
受け渡し確認の方法はどの本にも書かれていないはずです。
だから誰も本当のところはわからないでいます。
みなさんは次のように行ってください。
双方で現物を確認しながら、受け渡し書類確認票などに記載し、押印またはサインをすることです。
現物を見ながらというところがポイントです。
記載にも注意が必要です。
受け渡ししたものを、後日、他の解釈が生じないように特定しなければなりません。
特定するには、名称・枚数あるいは部数(個数)の記入が必要になります。
名称のみだと、後日、そのなかには〇〇の書類も含まれていたなどとトラブルになりかねません。
要は、受け渡し確認は、受け渡ししたものを特定するという作業なのです。
この「特定する」ということを、頭に深く刻んでください。
こう述べると、なにか、ものすごくたいへんな作業のように思えますが、慣れればそんなに時間を要すものではありません。
しかし、この時間を惜しむと、この何百倍、何千倍の時間をかけて書類のありかを追わなければならなくなります。
受け渡し確認は、習慣づけされているかどうかということが、いちばん大事なのです。
そして、やるからにはシッカリやることです。
見落としがちなことは、受け渡し確認の効果です。
受け渡し確認を行うことで、確認したものの所在が明らかになりますが、
重要なことは、受け渡し確認をシッカリ行う人は、その後の管理もシッカリ行うということです。
逆に、受け渡し確認をシッカリ行わない人は、その後の管理もシッカリ行うわけがないということです。
受け渡し確認は情報管理上の大きな分かれ道になるのです。
受け渡し確認は旧態依然とした作業にように見えますが、
AI時代にあっても、「渡した」「もらっていない」の水掛け論を防ぐのは、双方での確認しか方法がありません。
しかし、ビジネスは受けることと、渡すことで成り立っていることを考えれば、
受け渡し確認は、まさにビジネスの根幹部分です。
ビジネスの根幹部分であるということは、信頼の根幹部分でもあるということです。
このことを、ゆめゆめ忘れてはなりません。
綾小路 亜也
⑤「渡した」「もらっていない」の水掛け論を防ぐのは、双方の確認しかない から
※情報セキュリティ時代のビジネスマナーのポイント
①受け渡し確認は、双方で現物を見ながら確認し、受け渡したものが特定できるように記録する
②受け渡し確認をシッカリ行えば、その後の管理も適切に行える
書類受け渡し確認票例(新百合ヶ丘総合研究所作成)
関連記事:「送った」「受け取っていない」を防ぐには?
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