2018.06.25記事を更新しました。
『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』(kindle版)から
ビジネスマンなら、ときには上司と一緒に出張することがある。
そんなときは、誰でも憂鬱になるものだ。
これから長い間、上司と一緒に行動しなければならないという精神的な負担があるからだ。
上司との出張はビジネスマンにとっては避けては通れない一大イベントだが、なぜかビジネスマナーの本にはほとんど記載されていない。
たぶん、上司と出張するときの基本は、「食事もホテル滞在も、基本的には上司とともに行動」(『仕事のマナー100の鉄則』プレジデント社 2014年9月16日発行)なのだろう。
さて、この「上司とともに行動」するという基本だが、このこと自体は、みなさんもまったく異論がないと思う。
だから疲れるのだ。そして、みなさんは上司との出張中に「一人だけの時間を持ちたい」と思う。
しかし、上司とて同じなのである。
上司も、やはり、みなさんと始終一緒にいるため、疲れるということを忘れてはいけない。
そんな中で、出張先で朝食を迎える。
出張先での朝食は、たいてい、各自が勝手にとる。
みなさんがホテルの朝食会場に行くと、上司はすでに食事をしていることが多い。あるいは、すでに食事を済ませ、コーヒーを飲みながらゆっくり新聞を読んでいることもある。
問題は、そんな上司の姿を見たとき、上司と同じテーブルに座った方がいいのか、座らない方がいいかである。
「できる社員」はこんなとき、「おはようございます」と挨拶し、トレイを持って別のテーブルに座る。
それは、ここで上司と同じテーブルに座ると、食事を終わりかけているか、すでに終わっている上司に、自分が食事を終わるまで付き合わせることになると考えるからである。
そして、朝食の時間くらい、上司に一人の時間を楽しんでもらいたいと考える。
上司は、きっとそんな「できる社員」の気づかいを感じるだろう。少なくとも、さも当然とばかりに、上司が座っているテーブルにどかっと自分のトレイを置き、上司に話しかけながら食事をとる部下とは違う気づかいを感じるだろう。
「できる社員」はビジネスマナーの本に書かれていることを、そのとおりには守らない。
その場その場の雰囲気を感じながら、自分で応用を加えていく。その典型がこの出張先での朝食の場面である。
(抜粋)
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