上司の「ひとり時間」を大切に

2023.11.20更新

 

いま、「ひとり時間」が大切と言うが、人も「ひとり時間」を大切にしていることまで気がつかない。

 

このことは、人の「ひとり時間」がほしいと思う瞬間や兆候がわからないのかもしれない。

 

人の「ひとり時間」をほしいと思う瞬間を察知することも「気づかい」であり、好かれる秘訣でもある。

 

 

私は拙著『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』の中で、「ひとり時間」を取り上げた。

 

「『できる営業社員』は出張先で上司と一緒に朝食をとらない」というタイトルをつけ説明したが、この題材は、実際に私が出張先の朝食会場で見たことがベースになっている。

 

ホテルの朝食会場に行けばわかるが、上司はたいてい部下よりも先に来ていて、部下が来るころには朝食をすませ、コーヒーを飲んだり新聞を読んだりしている。

 

ところが、部下は、「おはようございます」と挨拶し、上司がいるテーブルにトレイを置いて食事を始めてしまうのだ。

 

 

しかし、私は管理職になっても数年間は上司を一人にさせることができなかった。

 

上司が席に座るとすぐ隣の席に座り、離れて座ることになっても上司の席の隣が空けばすぐにその席に移った。
席に座れば、話が途切れることがないように一生懸命語りかけた。
駅構内や空港で上司がなにかを見つめていたときも、近寄って声をかけた。

 

こうした私の行動の背景には、ビジネスマナーの本に書いてある「出張の際には上司とともに行動」といったことが頭にこびりついていたからだと思う。

 

上司を一人にさせないことが、上司への「気づかい」だと私は思い込んでいた。
「気づかい」をしない自分が不安だったのだ。

 

 

いまの時代、「気づかい、気づかい」とあまりにも言われるものだから、なにか自分からアクションを起こさなければならないような気持ちになる。

 

だが、「気づかい」しないことも、また「気づかい」なのだ。

 

「気づかい」しない「気づかい」は、「気づかい」することよりはるかに難しい

 

人の「気づかい」してもらいたくないときを察知しなければならないからだ。

 

私は経験から、朝食会場でコーヒーを飲んだり、新聞を読んだりしているとき、空港や駅でなにかを見つめているときに察知したが、人によってはスマホをいじっているときかもしれない。

 

それが上司の「ひとり時間」なのだ。

 

そんなことを察知したとしても、今度はなにもしない自分が不安になる。

 

ここは経験だ。
たとえば、朝食会場で上司の姿を確認したときは、軽く会釈するか、目を合せればいい。
上司はこちらの気持ちを十分にわかってくれるはずだ。
空港や駅で上司がなにかを見つめていたときは、待合室のベンチに座っていればいい。
そして上司が戻ってきたときに、「なにか、見つかりましたか?」と軽く声をかけることだ。

 

 

「気づかい」しない「気づかい」をわからなくさせているのは、「気づかい」を鬱陶しく思っても、それを口には出す人はいないからだ。

 

だが、人は心の中で、自分の本当の気持ちをわかってくれる人を評価している。

 

昇進選考の場面では、必ず、気持ちがわかる人かどうか思いめぐらせている。
世の中では、上司などに「気づかい」をしまくっても出世できない人がいる。
それは、その人の「気づかい」が人の心をとらえていないからだ。

 

「気づかい」には、「気づかい」しない「気づかい」も存在していると考えると、「気づかい」の幅も広くなり、出世しやすいタイプになっていく。

 

綾小路 亜也

 

「出世しぐさ」のすすめ

人の「ひとり時間」も大切に から

 

 

ホテルの朝食会場を撮影しました

ホテルの朝食会場1

 

 

ホテルの朝食会場2

 

 

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