「できる社員」は結論から話すのではなく、件名から話す

このエントリーをはてなブックマークに追加

 『なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか』(kindle版)から

 

「結論から話す」―これは、みなさんも耳にタコがつくほど聞かされている。多くの本で言われていることであり、みなさんの上司などがよく言っていることである。

 

その趣旨は「結論から話さない」と、報告を受ける側が結論まで延々と待たなければならないからである。つまり、相手を待たせない、相手をイライラさせないことが目的である。

 

これも、相手への配慮という意味では、ビジネスマナーの一つになっているのかもしれない。

 

しかし、本当にそうだろうか?
私は、結論から話してよいケースと、そうでないケースがあり、その区分けが必要だと考えている。

 

報告のパターンは二つある。
一つは、あらかじめ報告する内容が、報告する側と報告を受ける側とで共有されているケースである。
たとえば、上司から「あの件、どうなった?」と言われたとき、また会議などで報告のテーマが決められているときである。
そんなケースの場合は、結論から話すべきだと考えている。

 

もう一つのパターンは、報告する内容が報告する側と報告を受ける側とで共有されていないケースである。
簡単に言うと、あることについて、初めて報告するケースである。実際、ビジネスの世界ではこのケースも非常に多い。
たとえば、上司にトラブルが発生したことを報告する場合、部下のことを報告する場合、売り上げ不振を報告する場合がこのケースに該当する。

 

初めてあることについて報告する場合は、多くはいい報告ではない。このことはビジネスの現場で働いているみなさんは、よく経験していることだと思う。
私はこのケースの場合は、結論から報告すべきではないと考えている。

 

なぜか?
それは、実際に、いまケースとして挙げたトラブルが発生した場合に、結論から話すと、どういう報告になるのか考えてみると、わかる。

 

おそらく、こういう報告になるはずである。
「○○商事の契約を他社に取られました」
「部下の△△が、会社をやめると言っています」
「今月、売り上げはいきません」

 

どうだろう?
報告を受けた側は、「なんだって!」と言うのではないだろうか?
よく、上司の部屋から怒鳴り声が聞こえるのは、たいがいこんなケースなのである。
しかし、件名から話すと、報告を受ける側の反応は異なってくる。

 

「○○商事の件ですが」
「部下の件ですが」
「今月の売り上げの件ですが」
と切り出すと、おそらく上司は「おぅ、どうした?」と聞くはずである。

 

そして、その「おぅ、どうした?」という言葉を発する一瞬のうちに、上司の脳裏にはその件名について、さまざまなことが駆け巡る。

 

(○○商事の件は、実はおれも心配していたんだ。先日、○○商事を訪問したときも、同業者のような人を見かけた。やはり、その件なんだ……)
(△△君と、この間すれ違ったが、元気がなさそうだったからな……)
(今日も売り上げ速報を見ていたら、ずいぶん進捗が悪いと思っていたが、やはりその件なんだ……)

 

こんな一瞬のうちに、さまざまなことが脳裏に浮かぶのが上司なのである。これが上司たるゆえんなのである。
件名を言われると、報告を受ける側は一瞬のうちに、さまざまなことが脳裏をよぎる。そして、さまざまなことを予想する。

 

これが、心の準備なのである。
件名を言われと、報告を受ける側は、一瞬のうちに、報告の内容に歩み寄ってくるのである。

 

私は、「結論から話す」もマナーならば、相手に心の準備を与えることも、またマナーだと思っている。しかも、それは日本人の感覚にあったマナーだと思うのである。

 

ビジネスの世界では、報告はきわめて重要である。報告したことによって、グジャグジャの状態になってしまったということは、みなさんもよく経験していることである。
しかし、不思議なことに、「できる社員」が、報告して怒られたということは、あまり聞かない。

 

その違いはどこから生じているのか?
「できる社員」は、あることについて初めて報告する場合は、うまく件名から話し、相手に心の準備を与えてから報告していたのである。

 

「結論から話す」―たしかに、報告の「内容」について話すときは、正しい原則と言える。
しかし、怖いのは、それを鵜呑みにして、いかなる場合も、前だしなしに、結論から話してしまうことである。私は多くの報告の失敗はここに原因があるように思う。
(抜粋)

 

 

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

なぜ「できる社員」はビジネスマナーを守らないのか

本の目次

スマホで読む方法

 

 

◆新百合ヶ丘総合研究所の「人と違った存在になる」本のシリーズ

ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!

企業で働く 営業女子が輝く35のヒント

印象アップに踏み切れない人が、ある日突然注目を浴びるハンコの押し方

サラリーマンの本質

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です