「上の者を出せ」と言われても、できる限り頑張る

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サラリーマンなら誰しも経験するのがこの言葉である。
それは、「おまえじゃだめだ。上の者を出せ」「社長を出せ」「支店長を出せ」という言葉である。
激高したお客が言う言葉である。
客先にお詫び訪問したときやお客が店頭に来て興奮したときに叫ぶ言葉である。
あなたはこの試練を必ず味わうはずである。

 

この試練にあなたは、どう立ち向かうか? これが今回のテーマである。
あなたは、「社長を出せ」と言われて、まさか社長は出さないだろう。社長に連絡はしないだろう。
「支店長を出せ」と言われた時も、おそらく出さないだろう。
しかし、「上の者を出せ」と言われたら、一瞬迷うのではないだろうか。

 

こんなトラブル対応でも原則がある。
それを、あなたと一緒に考えていこう。
仮に、「上の者を出せ」と言われ、あなたは、先輩格の社員を出したとしよう。
しかし、お客は納得しない。先輩格の社員を指さし、「お前じゃ話にならない。責任者を出せ」と言うだろう。
今度は、課長がその応対をすることになる。
すると、お客は、課長に向かって言う。「お前はここの責任者か? どうなんだ? 課の責任者? それじゃ話にならん。店の責任者を呼べ」となる。
それではと、今度は支店長を出す。
そうすると、お客は、「お前が支店長か? オレが言ったことを社長に伝えろよ。そして、社長をオレのところに連れてこい」と言う。
すなわち、誰が出ても、お客は、「お前じゃだめだ」と言い続けるのである。最終的には、「社長じゃないとだめだ」ということになりかねないのである。
しかし、どこの世界に、「はい、わかりました」と社長を出す会社があるだろうか。
だから、サラリーマンは苦しむのである。悩むのである。トラブル対応に時間をかけるのである。

 

ここから問題の整理に入る。
もし、対応した人全員が上に上にとつないでいけば、それこそ激高したお客の言うとおり社長を出さなければならなくなる。
それで、本当にいいのかという問題がある。
これが1番目のポイントである。
次に、仮に社長が出た場合に、本当に問題が解決するだろうか。
社長は実務のことをまったく知らないのである。それに、社長が出たら出たで、さらなる要求が出る可能性も大いにある。
すなわち、社長が出たからといっても問題は解決するとは限らないのである。
これが2番目のポイントである。

 

この問題は、誰かが持ちこたえない限り、切りがなく上に上にと行く問題である。
つまり、1番目のポイントである。
そして、問題は、誰が持ちこたえるかということである。
答えは非常に難しいが、私は、事情を一番知っている人が持ちこたえなくてはならないと思っている。
つまり、初期の対応をした人が持ちこたえなくてはならないと考える。
それは、あなたである。
つまり、2番目のポイントである。

 

もちろん、実際には、上の人を出して解決する場合も多くある。それは、お客が、「まあ、この人が出てきたなら仕方がない」と矛を収めるからだ。役職がまさに利いたということになる。
しかし、先に述べたように、上の人が出たからと言って解決する保証はどこにもないのである。
それに、上になればなるほど実務に疎くなるということも頭に入れておいた方がいい。
実務に疎いために、「なにもわかってないじゃないか!」とかえってお客の感情を逆なでする可能性があるのである。

 

そう考えると、実務に疎い上の人が出て解決する場合も、その前に、事情を一番よく知っている人が、できる限りの説明をしなければいけないということになる。
上の人が出て解決する場合も、この下地があるからこそ解決するということを忘れてはならない。

 

しかし、まだ、あなたは、「それは、わかったけど、お客は自分の話など一切聞こうとはしない。そんなときは、どうするんだ?」と言うかもしれない。
そんなときに、相手に言う言葉、伝える言葉がある。
それは、「私は、会社を代表してお話ししているんです」という言葉である。
実際に若い社員がこの言葉をお客に言うということは、難しいことはわかっている。
それが言えないときは、ぜひ、自分の心に向かって「私は、会社を代表している」と言ってもらいたい。
この「自分は会社を代表している」という気持ちは、絶対に相手に伝わるはずである。
そして、この気持ちがトラブル解決の大きなポイントとなるのである。

 

サラリーマン社会では、このトラブル対応というものを、会社も、上司も、周りもよく見ている。
そこでの頑張り、持ちこたえというものを見ている。
そこを、「上の者を出せ」と言われて、「はいはい、わかりました」と安易につないではダメである。
もちろん、上の者に速やかに報告することは不可欠である。しかし、上の者を出す場合でも、一番の当事者である自分が、説明の限りを尽くす、あるいは、お詫びの限りを尽くす、相手の理解を得るために全力を尽くすということが必要である。
そして、そういう気持ちがあるとき、トラブルは解決するものなのである。

 

 

ポイント
①トラブルは、誰かが持ちこたえないと切りがなく上に上にと行く。
②そして、一番持ちこたえなくてはならない人は、一番事情を知っている人である。
③自分は会社を代表して対応しているという気持ちが必要であり、それは相手にも伝わる。
 そして、そんな気持ちがあると、トラブルは解決に向かう。

 

 

 

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