サラリーマンは借りを作らない

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あなたは、得意先から「もう1軒行かないか?」と誘われる。
酔った勢いもあり、行きたいような気持ちにもなるが、「きっと、また高い店だろうな」と思うと同時に、奢ってもらうことに抵抗感もあり、すぐには返答できない。
そして、不思議に思うのは、最初は、軽く一杯から始まっても、2軒目、3軒目と梯子をするうちに、だんだんと飲み代が高くなっていくことである。
そんなこともあり、あなたは尻込みするのである。

 

今回は、ちょっとシリアスな内容になるが、あなたと一緒に、この問題をじっくり考えていこう。
この話は、サラリーマン生活の中で誰もが経験することである。
問題は、あなたが危惧しているように、奢られることにある。
そして、真の問題は、そのことが原因で、奢ってくれた人からの依頼がことわりづらくなることにある。
こうしたことは、社外だけではない。社内でも十分あることだ。
この問題の怖いところは、こうしたことが積み重なって不祥事の温床になってしまうことがあることだ。
だから、「十分に注意しなさい」ということになるが、ここで議論を終えたしまったら意味がないので、この問題の中身を掘り下げて考えてみよう。

 

奢られることの大きな要因は、金銭的な負担にある。
あなたよりも相手の方が金銭的な余裕があるから、奢るのである。
また、あなたは、心では、「借り」を返さなくてはならないと思っていても、現実的には、会社の交際費を使うことは難しい。
それは、会社の交際費は役職者ががっちりと管理しているからだ。
だから、あなたは、奢られ続けることになってしまう。

 

それでは、他のサラリーマンはこの問題に対して、どうしているかと言うと、なかには、あなたが考えているような不安も覚えない「ちゃっかり型」社員も確かに存在する。
この人たちは、自分から、「さあ、もう1軒行きましょう。いつもの店に。〇〇ちゃんの店に」などと言う人である。
甚だ不公平な気がするが、こういう人たちは、悩まないのである。
この問題に悩むのは、あなたのような真面目なサラリーマンであり、真面目ゆえに相手の目的までも察してしまうのである。
「そんなに悩むのなら、誘いをことわればいいじゃないか」と言う人もいると思うが、確かにその通りであり、試してみる必要が大いにある。しかし、現実には、なかなかビジネスの世界では難しいのである。
特に、相手より弱い立場にあるときは、ことわれないのである。気後れしてしまうのである。

 

そんなあなた解決法をアドバイスしたい。
1つは、このことを上司に話すことだ。言いづらいのはわかっているが、話すことだ。
「昨日〇〇商事の××さんに、赤坂に連れていかれ、ごちそうになりました。非常に高い店だと思います」と、事実を一気に話してもらいたい。
あなたの上司も、こういう経験がきっとしてあるはずである。
気がつく上司ならば、「そうか………」と事情を察し、組織としての「借り」のお返しを検討してくれるはずである。
個人でお返しができなければ、組織で借りを返さなくてはならないからである。
多分、そのときは、こちらの方から、かなりいい店に招待するはずである。

 

こう言うと、あなたは、「ダメです。ウチの上司は、そんな気が利く人ではありません。見て見ぬふりをしますから」と言うかもしれない。
こうしたときは、あなた自身が自衛手段を取るしかない。
自衛手段の1つは、一次会が終了したとき、店の外でまごまごしないで、「今日はありがとうございました。それでは失礼します」と、すぐにその場を立ち去ることである。
実は、サラリーマン生活では、この一次会の店を出るときが、社内でも社外でも大きなキーポイントなる。
確かに、店を出たときには、酔いも手伝い、なにか1軒では物足りないような気持ちになるからである。
そこで、店の外で、行きたいような行きたくないような自分の気持ちと戦いながら、場の空気を見るのである。
そして、多くは、翌朝、「あーあ、行くんじゃなかった。ろくなことにならなかった。おまけに気持ちが悪い」ということになる。
ぜひ、この一次会のあとのスパッとした立ち去り方を試してもらいたい。

 

しかし、得意先との接待の場合は、スパッとした立ち去りをトライしてもらいたいが、そう簡単にいかない場合も多いと思う。
そのときには、「二次会は、私が払います。私に払わせてもらわないと行きませんよ」と言ってもらいたい。
実際の会計の段には、そうはいかない場合もあるが、ぜひ、そう言ってもらいたい。
いつもいつも、ただただ、奢られることを前提についていくように見られることを避ける狙いもあるからである。

 

それでも難しいときは、ぜひ、その人あてに、贈り物を送ってもらいたい。
旅行に行ったときは、ちょっと高い名産品を送るなりしてもらいたい。
旅行の機会がなかったときは、デパートの地下で、ちょっと高価な季節のものを送ってもらいたい。
この「季節のもの」というのは、けっこう使えるので、ぜひ頭に入れておいてもらいたい。
贈る理由づけがないときでも、「ちょっと、いいものが目に入りましたから」と言えるからである。

 

どうだろう? 以上述べてきたことは、なるべく「借り」を作らないための手段である。
そして、「借り」はすぐに返した方がいいということも言いたかった。
この「借り」の意味は、改めて話すこともないだろう。あなたが理解している通りである。
サラリーマン社会での「借り」はあなただけの「借り」ではない。
組織としての「借り」でもあることを忘れてはならない。
だから、「組織」で返すことを原則とする。
先ほどの例で、「上司に報告せよ」と言ったのは、その意味である。

 

また、このことは、あなたに得意先からお中元やお歳暮が届いたときも同じである。
これを会社に言おうか言うまいかと悩むより、上司に一言話すのが正解である。
それは、上司に話したことにより、組織の問題に置き換わったことを意味するからである。
多分、上司は、「そうか」というはずである。この「そうか」の意味には、よほど高価なものを除き、「わかった。お受けしておきなさい」という意味である。
こうした方が、あなたも気が楽ではないか。

 

社外の人から奢られたり、贈り物をいただいた場合は、組織で対応するが原則である。
このことを、頭の中にしっかりと入れてもらいたい。

 

 

ポイント
①サラリーマン社会では、社外の人から奢ってもらったり、贈り物をいただいた場合は、組織で対応するのが原則である。
 こうした場合は、個人の「借り」と考えるのではなく、組織の「借り」と考えることが必要である。
②そして、サラリーマンは、「借り」を作らないことが重要であり、仮に「借り」を作った場合は、すぐに返す必要がある。

 

 

 

 

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