2025.05.16更新
上司は、仕事で「念押しする人」を評価します。一方、上司から「念押しされた人」のことは信頼していません。なぜ「念押しする人」は評価されるのでしょう?
それは、上司は過去に念押し確認をしなかったために、痛い目に遭っているからです。
上司の不安の中身を、実際のビジネスシーンから見ていきましょう。
時刻は5時を回った。
あなたは、これから上司と得意先の接待に行く。
書類を片づけ、パソコンの電源を切り、出発に備える。
すると、上司からこんなことを言われる。
「今日、6時半だったよな。日本橋の〇〇だよな」
あなたは「ええ、そうですけど……」と答える。
すると、今度は「個室だよな?」とつぶやくような言葉が出る。
あなたは「ええ、そう予約していますが……」と答える。
しばらく間を置き、上司は自分に確認するようにこんな言葉を口にする。
「先方は、販売部長の田崎さんだよな。販売一課の半田課長も一緒だよな」………。
あなたは、心の中で「もういい加減にしてくれよ。しつこいな」と思う。
あなたの上司は何を言いたいのでしょう?
あなたに何を期待しているのでしょうか。
次のような報告を期待しているのです。
「さきほど、日本橋の〇〇に確認しておきました。2Fの個室だそうです。それと、朝、〇×商事の半田課長に電話しておきました。田崎部長もたいへん楽しみにしているそうです」
そう、あなたの「念押し確認」を期待していたのです。
この報告には、あなたの上司が心配していることへの対応が織り込まれています。
・接待場所の予約がちゃんと入っているか
・個室か
・先方の出席も予定どおりか
ということです。
あなたがそのように答えると、きっと上司はこう言うはずです。
「そうか、〇〇君。ちょっと早いけどそろそろ行こうか」と。
あなたの上司がなぜこんなことを心配しているかといえば、あなたよりサラリーマン経験が長いからです。
長い経験の中で、接待でも会合でも、ちゃんと予約が取れていなかったことを経験したか、身の回りで起きたことを覚えているのです。
また、相手が急に都合が悪くなってしまったケースも経験したに違いありません。
あなたは実感が湧かないかもしれませんが、そんなケースは実際にビジネスの現場では山ほどあります。
そして、あなたにもっとショックなことを言えば、このくらいの確認と報告はビジネスの世界では常識なのです。
次のような確認報告をする人もザラにいます。
「料理は8,500円のコースを頼んでおきました。酒代は別です。
手土産は、先方の田崎部長が甘党なので、ちょっと変わったものを用意しておきました。
上野〇〇堂の和菓子です。
値段は3,000円くらいですが、けっこう見た目はいいです。私も食べたことがありますが、おいしく、下町情緒もあります。
田崎部長は高円寺にお住まいです。半田課長は浦安です。念のために、部長の分も含めタクシーチケットを3枚用意しておきました」
もっとすごい人もいます。
接待場所を下見する人です。
実際、ビジネスの現場では、接待前に接待場所を下見する人は多くいます。
そんな人はこう確認報告します。
「〇〇は落ち着いた店です。2Fの個室も一番奥まったところにあり、話し声は聞こえません」
この問題を共に考えてみましょう。
一つは、上司にせよ、顧客にせよ、「相手を不安にさせないことがビジネスの世界の大原則である」ということです。
人というものは、頼んだ瞬間から、自分の依頼がちゃんと行われているか、不安なのです。
ここで取り上げたケースも、あなたの上司は不安なのです。
その不安を払拭させる方法が「念押し」です。
二つ目は、やはり、「ビジネスの世界では確認が重要である」ということです。
ビジネスの現場で起きるミスのほとんどは、確認不足から生じています。
三つ目は、今回のケースとして接待を挙げましたが、それは、まさに業務にもあてはまるということです。
こんな接待の予約や、相手の情報の確認をしっかりとれる人は、やはり業務もしっかり行える人です。
会社や上司は、こんなところから人を評価するのです。
「こいつに頼めば安心して任せておける」「間違いない」と思います。
そう、「念押しした人」は、上司からすれば、「安心して任せておける」人であり、評価されることは間違いありません。
一方、上司から「念押しされた」ということは、上司は不安なのです。
それは安心して任せられないということです。
サラリーマン社会では、こんなところで大きく評価が分かれることに、注意していただきたいと思います。
綾小路 亜也
ポイント
①相手を不安にさせないことがビジネスの大原則である。
②ビジネスの世界では確認が重要だ。
ミスは確認不足から生じる。
③念押し確認をする人は、上司からすれば「安心して任せられる」人であり、評価される。
④一方、上司から「念押しされる人」は、安心して任せられない人である。
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