出世するために脇を固める

「脇が甘い」という言葉がある。
推察のとおり、この言葉は相撲から来ている。相撲で脇があいていると、四つに組んだとき相手の差し手を許しやすいからだ。簡単に言えば守りが弱いという意味である。
この言葉は、どんなときに使われるだろうか?
他社に契約を奪われたとき、テリトリーを荒らされたとき、上司から言われることが多い。
だが、最近はもっと広く使われているはずだ。
守りが弱いという意味から、相手に突っ込まれやすいという意味にまで拡大している。
部下から、セクハラ、パワハラで訴えられるなんていう場合も該当する。
出世を考えるとき、「脇が甘い」ことが致命的になるので、ここで、しっかりと考えていきたい。

 

「脇が甘い」を考えるとき、とっておきの記述がある本を見つけた。
丸山ゆ利絵氏が書いた『「一流の存在感」がある人の気づかいのルール』で「脇が甘い」ことを、こう定義している。
「ワキが甘い」とは、その地位や役割にあるべき「用心深さがない」、気をつけるべきなのに人につけこまれる「スキをつくっている」。
そして、「『人の上に立つ』過程では、相手との距離感に対する注意力も必要」「一流の人は、いつもと変わらぬ丁寧な態度を崩すことはない」と述べている。

 

この「用心深さがない」「スキをつくっている」までかみ砕くと、「脇が甘い」の正体がだいぶ見えてくる。
そして、丸山氏が言う、距離感、いつもと変わらぬ丁寧な態度という記述で、思い当たることはないだろうか?
たとえば、あなたのかつての上司が出世して役員となった。その上司とエレベーターで一緒になったが、相変わらず、あなたにほほ笑みを向けてくれてはいるが、どこか距離感を覚えたということはなかっただろうか。
これが、出世した人の姿なのである。
しかし、サラリーマン社会では、そんな距離感を覚えたとき、「冷たくなった」「人が変わった」と表現することが多い。

 

そう、サラリーマン社会では、いつまでも自分と一緒になって考え、行動し、付き合ってくれる上司がいい上司なのだ。
また、上司もそんなことを知っているから、いつも部下と一緒になって考え、行動し、付き合うことに努める。つまり、部下から好かれる上司になりたいのだ。
しかし、部下から見た理想の上司は、多くの場合、出世で足踏みしてしまう。
部下と一緒にトラブルに巻き込まれたり、部下への不用意な言動が問題になることがあるからだ。

 

 

出世は能力だけでは決まらない。また、成果を上げたからといって、決まるものでもない。
いまの時代、一番見られているのは、部下との関係である。
それは、考えてみればわかる。出世するということは、より広範囲の組織を任せられることであり、より多くの部下を持つことを意味しているからだ。
だから、会社は、部下と問題を起こした上司を出世させることはない。
能力があっても、成果を上げていても出世できない人の秘密は、ここにある。

 

私は、出世にはタイミングを「合わせる」「引き寄せる」「早める」「逃さない」必要があることを、拙著『ビジネスマンが見た出世のカラクリ 出世はタイミングで決まる!』で書いたが、この「逃さない」は部下との関係である。
それゆえ、私は、「部下の口から解決策を言わせる」「率先垂範は部下と同じことをやるのではない」「困った部下とは同じ土俵に立たない」「部下指導は80%の力で当たると、ちょうどいい」「部下から100%好かれたいと思わない」と注意点を書いた。

 

部下と心を通じ、親しくなることは必要だ。
だが、上司と部下という一定の距離感を持つことも、また必要なのだ。
「脇が甘い」の反対語は、「脇が固い」である。
「脇が固い」ということは、隙がないという状態である。
よく、出世した人を指し、「隙がない人」と言うではないか。
部下との関係において、脇が甘くなっていないか検証し、ぜひ、脇を固めてもらいたい。
そうすれば、あなたは、がっちりと出世を勝ち取るはずである。

 

 

 

 

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2018年7月7日 | カテゴリー : 出世する人 | 投稿者 : ayanokouji