「勉強になりました」は要注意

「勉強になりました」を口癖にしている人。嫌われているかもしれません。

 

ビジネスマナーの本や記事には、上司や目上の人と話をして得るものがあったとき、「参考になりました」と言うのは失礼で、「勉強になりました」と言うことが、盛んに書かれている。
しかし、「勉強になりました」も言い続けると、よく思われないこともあるので、注意が必要だ。

 

 

先日、パーティー会場で、「勉強になりました」を連発するビジネスマンに出会った。
そのビジネスマンは明らかに、いろいろな人と知り合うことを目的にしていた。
自分のほうから話しかけ、話が終わると「勉強になりました」と言い、次なる話し手を求めた。そして、話が終わると、ここでも「勉強になりました」と言い、次なる人に向かった。
こんなビジネスマンはけっこういる。また、人の話を聞き終えると、必ず「勉強になりました」と締めくくるビジネスマンやビジネスウーマンも多い。
本人は気づいていないが、「勉強になりました」と言われた人は、本人が描いた意図とは別な感情を抱いている。

 

 

なぜ、「勉強になりました」を口癖にしている人がいるのだろうか?

 

その言葉を気に入っているからである。そして、その言葉を使える自分にも満足している。
その言葉を使える自分は、人とは違った有能なビジネスマン、ビジネスウーマンだと思い込んでいる人は多い。

 

しかし、「勉強になりました」は、「なにが勉強になったか」が、明らかになっていない。
この言葉は話を聞き終えたときに使われるから、「なにが勉強になったが」明らかにされないと、言われたほうはバカにされたような感覚になる。
また、「はいはい、あなたのご高説は聞きましたよ」と体よく締められたような感情を持つこともある。

 

「勉強になりました」に「なにが」の部分がないと、空疎な言葉になる。
「勉強になりました」と言うときは、「なにが勉強になったか」を言う必要があり、それが、この言葉を使うときのマナーだと思う。

 

 

もう一つ、考えなくてはならないことは、「勉強になりました」という言葉自体の重みである。
いま、「勉強になりました」は、非常に多くの人が使っている言葉なので、この言葉を使うことによる「差別化」はない。つまり、際立った言葉ではないということだ。
また、「勉強」の意味には、商品を安くして売るときにも使われるので、言葉自体、そんなに重い言葉ではない。
そんなことから、「勉強になりました」を、「学ばせていただきました」に置き換えることをすすめているビジネスマナーの記事も多くある。

 

 

しかし、いちばんの問題は、上司や目上の人の話を聞き終えたときに、「勉強になりました」を言わなければならないと思っていることだ
そして、この言葉を言うと、なかなか、それ以外の言葉は口に出てこない。

 

 

「勉強になりました」と言われて、はたして、人は喜ぶのだろうか?
それよりも、ありのままの感想を言われたほうが、人は喜ぶのではないだろうか。
「話をおうかがいして、わかりました! この部分が大事なのですね」「いままでモヤモヤしていた原因がわかりました」「明日から、早速、取り入れてみます」……。こんな感想がほしいのではないだろうか。

 

 

ビジネスマナーで陥りやすいことは、相手中心に考えると言いつつも、自分中心に考えてしまうことである。
「勉強になりました」という言葉も、上司や目上の人の気持ちを考え使われる言葉だが、そこには、相手に失礼にならないようにする自分がいる。
相手に失礼にならないようにする自分がいるから、「勉強になりました」を常套句のように使ってしまう。
しかし、相手が望むものは、ありのままの感想である。
「勉強になりました」を使わない人のほうが、相手からいい印象を持たれるのではないかと思う。

 

 

ビジネス、人との関係を考えるとき、言葉のニュアンス、響きといったものを考えることは重要である。
「勉強になりました」も、この言葉を一部の人が使っていたときは、それなりのインパクトがあったかもしれない。しかし、この言葉が一般化した今の時代、この言葉に特別な意味あいはない。むしろ、表面的な言葉として受け取られる。
言葉の意味合い、重みも時代とともに変わっていくのだ。
「出世した人」は、そんな言葉の意味あい、重さを考えた人である。

 

綾小路亜也

 

 

(参考記事)

「やった」ことに、「一応」はいらない

http://shinyuri-souken.com/?p=52173

「お急ぎかと思いまして」は相手がグッとくる言葉

http://shinyuri-souken.com/?p=52235

 

 

 

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