お詫び訪問では、出されたお茶は飲まない ー その意味は?

2024.11.16更新

 

お詫び訪問でお茶を飲んでいる姿、ちょっとおかしいですよね。相手はそんな姿をじっと観察しています。お詫び訪問ではお茶を飲まない方が無難なのです。

出されたお茶を飲まない意味は、お茶を飲む立場にないということです。

「心から申し訳ない」と思っている人は、お茶など飲まないと考えればよいのです。

 

客先での対応に迷ったときは、自分がいる空間を映画のようにレンズを引いて見ることを、「出世しぐさ」のすすめではすすめています。

 

すると、お詫び訪問でお茶を飲む光景はたしかにおかしいですよね。

 

 

実際の場面を考えてみましょう。

 

あなたは、上司とある客先にお詫びに来ています。

応接室に通されました。

先方の女子社員が部屋に入ってきて、無表情にあなたと上司の前にお茶を置きます。

向かい側の先方の部長と課長が座るであろうテーブルの前にも、お茶を置いて軽くお辞儀をして出て行きました。

だが、先方の部長と課長はなかなか現れません。

出されたお茶も、冷めていきます………。

 

 

置かれたお茶にどう対応するか?

 

あなたの喉は、これから応接間で展開されることを想像しただけでカラカラになっています。

思わず、この冷めたお茶に手を出しそうになります………。

 

サラリーマンなら、こうした場面を経験します。

こうしたケースでは、必ずと言ってよいほど待たされるのです。

 

あなたがお茶に口をつけた場合のことを考えてください。

先方の部長と課長が部屋に入り、向かい側のあなたの茶碗を見ます。お茶は減っています。

 

何かおかしくないでしょうか? 

こうしたケースでは、先方の着席をひたすら待つことが必要です。

そして、先方が着席した瞬間に、お詫びを申し上げるのです。

 

その前に、お茶が減っているということは何を意味しているのでしょう?

神妙に待っていなかったことを意味しています。

先方は、絶対によい印象を持ちません。

だから、お茶を飲んではいけないのです。

 

 

 

次のシチュエーションも考えてみましょう。

 

先方が着席して、「まあ、どうぞ」とお茶をすすめる場合です。

こんな場合でも、飲んではいけません。

お茶を飲んでお詫びするなんていうことは、ビジネスの世界ではあり得ないからです。

もし、お茶を飲みながらお詫びをしたならば、それはお詫び訪問ではありません。

 

 

 

あまり難しく考える必要はありません。

一番重要なことは、お詫びする気持ちです。

お茶を飲んでいたら、お詫びを受ける側は「形だけ来やがって。お詫びの気持ちなど全然ないじゃないか」と思われかねません。

 

お詫びの気持ちがあれば、いろいろ言われたり、いろいろな過程を踏まなければならなかったとしても、結局は相手に意が通じます。

けっして言葉ではないのです。

言葉巧みにお詫びしても、お詫びの気持ちがなければ相手は受けいれません。

相手は、お詫びする人の体全体から発散される気持ちを感じ取ろうとしているのです。

 

綾小路 亜也

 

 

ポイント

①お詫び訪問で一番重要なものは、お詫びの気持ちである。

相手は、お詫びする人の体全体から発散される気持ちを感じ取る。

②お詫び訪問の際に、お茶を飲んだり、派手な服装をしているということは、お詫びの気持ちがないことになる。

 

 

 

 

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