2024.09.25更新
会議室でもレストランでも、イスを元に戻さない人っていますよね。イスを戻さない人の心理って何でしょう?
「場を借りている」という意識がないのです。
「場を借りている」という意識があると、イスは戻せます。
「借りる」に対応する言葉は「戻す」だからです。
職場で椅子を戻さない人に注意してもなかなか直りません。
イスを戻すというマナーがわからない人には、「場を借りている」という意識を持たせることです。
このことを考える格好の材料が、
今藏ゆかりさんが書いた『みんなに必要とされている人の「ひと工夫」の習慣』に載っていました。
今藏さんと上司が、新規の仕事の打ち合わせを兼ね、先方の担当者2名と一緒に食事をしたときの話です。
先方の二人は清潔感あふれる素敵な着こなしで、楽しく品のあるトークをし、気配りのある振る舞いをする、とても印象がいい人たちで、仕事の内容も期待以上だったといいます。
ところが、店を出ようと席を立ったとき、二人とも座っていたイスを後ろに引いた状態のまま、放置したという。
おまけに、一人はお札を投げるようにレジの人に渡しました。
先方と別れたあと、今藏さんの上司は「今回の話はお断りしよう」と言ったのです。
いかにもありそうな話です。
この二人は、もしかすると、あえてイスを戻さなかったのかもしれません。
なぜでしょう?
高級店でもいつもどおりでいられる自分を見せることで、自分のステータスを示したかったのだと思います。
私の推測どおりなら、とてもさびしくなってしまいますが、この人たちはあることを忘れています。
「場」を借りているということです。
この人たちは店にお金を支払っているかもしれませんが、店から「場」を借りているということを忘れているのです。
「場」を借りているという意識がないことが、イスを元に戻せない人の原因になっています。
ビジネスでは、先方の会社に出向き、会議室で打ち合わせすることがよくあります。
打ち合わせが終わり、退席する際に椅子を元に戻さないのは、「場」を借りているという意識がないからです。
社内でも同じです。
社内の会議室はいろいろな部署の人が利用しますが、会議や打ち合わせが終わったあと椅子を元に戻せないのも、みんなの共有の「場」を借りているという意識がないからです。
「場を借りている」という意識が、なぜ必要なのでしょうか?
「借りる」という言葉に対応するものは、「戻す」だからです。
借りているということが頭にあれば、元に戻すという気持ちが自然に湧いてきます。
すると、イスを戻すことが習慣となります。
ここを、ビジネスマナー的発想で、「あとで利用する人のことを考える」と言っても、そのこと自体正しいものの、なかなか自分のものになりません。
また、あまりそこに意識が向くと、今度は「いかにもイスを元に戻しましたよ」という動作をとる人も出てきます。
重要なことは、自然な「しぐさ」でイスを元に戻せるかです。
そんな「しぐさ」ができる人を、人は好み、その人の本来の姿を垣間見たような気がして嬉しくなるのです。
人は、ある動作が意識されて行われることより、その人の体の一部のようになっている「しぐさ」を好むのです。
綾小路 亜也
「場」を借りていると思うと、イスは戻せる から
出世するビジネスマナー
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