元・外資系人事部長が見た 要領よく出世する人
村上 賀厚 東洋経済新報社 2015-02-27 |
このような本を購入する人は、「一流の人」≠「出世する人」と考えている人だと思う。
そして、「一流の人」とは違う要素を「出世する人」に見出そうとする。
この本の構成は下記のとおりになっている。
第1章 日本人は知らない、外資系で要領よく出世する人の「8つの秘訣」
第2章 要領よく出世する人が密かにやっている「20の習慣」
第3章 要領よく出世する人が大切にしている「15の考え方」
第4章 要領よく出世する人がプライベートで守っている「4つの教え」
それぞれの章で、実際にビジネスの現場で、出世する人を見てきた私の経験を基に、みなさんに参考となる箇所を掲示したい。
第1章から
・つねに「中庸」を意識している
ー「要領よく出世する人は、決してゼロイチでは考えない」
物事のメリット、デメリットの両方を睨みながら程度の議論をし、落としどころを模索して判断する。
第2章から
・自分の「普通」をつねに疑っている
ーたとえば営業成績の執着心がとても強い人は、そんな自分を普通だと思い、自分の「普通」を相手に強要する。
・他部門に入り込もうとしている
ー要領よく出世する人は、他部門の悪口を言わない。
・同僚に勝つことを最優先にしている
ー要領よく出世する人は、絶対評価と相対評価の違いをしっかりと認識し、「相対評価」に重きを置いて行動する
・言葉の定義をしっかり意識している
ー要領よく出世する人は、ビッグワードや似て非なる言葉をしっかりと認識して使う習慣を身に付けている
第3章から
・周りは自分を理解してくれないことを知っている
ーリーダーが周りに理解されることは、難しいことを要領よく出世する人たちは、しっかりと認識しており、それを乗り越えるさまざまなことを心がけている。
・若い世代といかに「協働」するかを考えている
ーイライラしながらも多様性を許容できる人が出世する
・会社が「社員を大切にする」と言う理由を知っている
ー要領よく出世する人は、「人を大切にするというのは費用対効果の域を出ない」ということを理解し、会社との距離をしっかりと置いている。
そして、著者は、本書全体を通して、「経営の視点に立って会社を見て、広い視野で自分の役割を認識し、開発すべき能力を身につけ、行動する」必要があると述べている。
どうだったでしょうか? 少しは、「出世する人」を感じ取っていただいただろうか?
私は、組織の中で出世するには、個の力と組織や人と協働する力が必要ではないかと考えている。
そして、個を意識した場合、本書で述べているように、「相対評価」に重きを置くことも必要である。
また、本書で述べている会社の考え方を理解することも重要である。
この本で述べられていることは、まさに出世に必要な条件であり、また著者の高い識見に感心するばかりである。
しかし、ここで述べられている出世する人の像を総合すると、どちらかと言えば、厳しいビジネス社会をぜったいに「生き残れる人」という色彩が強く、当然ながら、出世する人ということになる。
読者が知りたかったのは、もっと、出世のための手がかり、カラクリといった生々しい「出世する人物像」ではなかったのだろうか?
そんなことを思った次第である。
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